蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

西武新宿線沿い西東京市田無駅より徒歩11分の表千家茶道・池坊華道教室

「茶事」と「茶会」について 

2017年7月28日 Category: 茶道のお知らせ, その他のお知らせ
前回、「茶事」・「朝茶」とは? を 書きました。
では「茶会」とは? も説明しておこうかと思うので、書き足しておきます。

「茶事」とは、客を招いて、懐石・濃茶・薄茶をもてなす正式な茶のこと と説明しました。
我が家では基本的に、「初釜」と「朝茶」を開きますが、茶事自体は亭主の目的により、いつ、なんどきに開いても良いものです。
 初秋の夕方に行う「夕ざりの茶事」、冬の夜長を楽しむ「曙の茶事」や「夜咄(よばなし)」。夜の闇の中で蝋燭の明かりを手がかりに運ばれる茶事は、ベテランならではの醍醐味があります。
11月初旬には、茶壺の口を開ける「口切り」の茶事。今の時代はいつでも抹茶を購入できますが、昔はその家の一年分の葉茶を5月に茶園で摘み、茶壺に入れて発酵させ 立冬を過ぎた頃、開けるのです。一年に一回のその御宅の新茶を開ける瞬間に立ち会える茶事ですから、茶の正月と呼ばれるとてもおめでたい会です。
他には、参加できない茶事のその流れを味わう「跡見の茶事」、食事を省略する「飯後の茶事」、不意に訪れた客をもてなす「不時の茶事」、などなど。
 「祝い、追善、雪月花、行事、季節、時刻、趣向」を軸に必ずなんのために催す茶事なのか、その目的それぞれの趣向で開かれます。亭主は、その目的に沿った道具組み、献立、客組みを考え準備します。

亭主は、客にはあらかじめ説明し、了解をとった上で 改めて書状で案内狀を出します。そこにその茶事の趣旨と日時、場所、連客の氏名などが明記されています。
客の心得としては、受けた案内に対して 参、不参の返事をし 万難を排して出席する覚悟を持ちます。
考え方としては、結婚式に招かれたと同じことと捉えたらわかりやすいでしょう。同じことです。

ここまで書くと、「茶会」との違いがわかりやすいと思います。

「茶会」というのは、「大寄せ」とも云われるように茶道を学んでいる方もそうでない方も、興味のある方大勢がお見えになり、一緒に抹茶一服を頂くことができる場です。
茶会へ行きたい方は、茶券を購入し(数千円から数万円)、会場でその部屋に沿った人数で席入りし、お菓子とお茶をいただき、道具を拝見して楽しみます。
茶席は一席おあれば、4〜5席など大きなものまで様々。各席に席主という席をかけた方がいて、それぞれの茶室の室礼などを気軽に楽しむことができます。
京都の大徳寺では、毎月利休様の命日 28日に、「月釜」という茶会が開かれています。とてもレベルの高い茶会ですが、どなたでも参加することができます。
春、秋の外が気持ちの良い季節気持ちの良いには、「野点」という茶会もあります。

また、陶器など作家さんの展覧会や、文化的発表会などに 茶の湯で華を添える「添釜」も。
百貨店などで見かけた方も多いのではないでしょうか?
私の教室では例年2月に開かれる「新年能」の会で 添釜をしています。

招かれた方のみ(経験の有無は問いません)で開かれる最も正式な「茶事」。
券を購入しどなたでも参加できる「茶会」や、その場で楽しめる「添釜」。
どれも「粗茶一服」の姿勢には変わりませんが、茶の湯の本質に触れるのは「茶事」といえるでしょう。

写真が見つかったら、いつか追加しておきますね。
まだ 『想像がつかない!』と 思われた方、是非体験へいらしてください。『百聞は一見に如かず』です。


日々の稽古や、生徒の作品、ワークショップの様子などをF.B.に(たまに)アップしています。 https://www.facebook.com/茶道教室-華道教室-438381252917488/


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蓮心会 高森 梨津子

「朝茶」「茶事」とは?

2017年7月24日 Category: 茶道のお知らせ, その他のお知らせ
我が家の茶道教室では、年に二回「茶事」を開催します。
冬は2月初めに「初釜」、夏は8月初めに「朝茶」を開くことにしてます。
そこで 今回はこの「茶事」について少し書いておこうと思います。
さて、「茶事」とは?

「茶事」とは、一般に 懐石料理といわれる茶の湯のための料理を伴った茶のもてなしのこと。
客をもてなす丁寧な形式の茶の湯で、正式な茶の湯のことでもあります。
「正式な茶の湯」とは、濃茶をもてなすことを中心に、その濃茶を美味しく点てられるために炉や風炉に炭をつぐ「炭点前」をし、濃茶を美味しく味わっていただくための料理をすすめ、また濃茶だけでなく、薄茶をもてなす仕組みです。

その「茶事」の基本となっているのが「炉の正午の茶事」と云われる手順です。

  茶事に招かれ、当日定刻少し前に亭主宅や会場へ伺います。
  先ず初めに「寄付き」と呼ばれる部屋で、身支度を整え、連客と挨拶したり
  客が揃うまで寄付きを拝見して待ちます。
  亭主側の方から「露地」へ移動するよう促されます。露地で、気持ちを整えて待ちます。
  亭主の「迎えつけ」と云われる挨拶があります。茶事は、ここからがスタートです。
     客側からみた順序としては、
一、初炭
  亭主が炭点前をし、釜の湯を沸かします。使われる炭道具や香の入れ物「香合」を拝見します。
        
二、懐石
  一汁一菜から一汁三菜。また点心やお弁当など趣旨・趣向により工夫されます。
  お酒とともにいただきます。 
三、菓子・中立ち
  茶懐石の最後にデザートとして主菓子が出ます。その後、席改のために露地へ移ります。
        
四、濃茶
  茶事のメインである濃茶を亭主が点ててくださります。床の間には茶花が。
        
五、後炭
  炭の力が落ちてきますので、炭を継ぎたす炭点前。
六、薄茶
  メインの濃茶が終わり、すぐお開きというのも名残惜しいので、干菓子と薄茶をいただき
  和やかに過ごします。記念に写真撮影もあるでしょう。

  亭主とはこの部屋でお別れです。客は露地を通り、寄付きに戻り身支度を整え帰宅します。
  この間、約四〜五時間。でも、あっという間に感じます。

この炉の正午の茶事の順を基本に、「朝茶」「前茶」などのバリエーションがあります。

「朝茶」とは、七月や八月の猛暑の昼に客を招くことが無理な時節、五時や六時の早朝から九時〜十時、日が高くなる前の「夏の涼気を楽しむ」という心意気から生まれたもの。
暑気払いの効果や、暑い季節だからこその道具やしつらえを味わい、季節とともに歩むのを楽しむ茶事です。
特徴として、夏の早朝、釜に清新な朝の水をつぐという所作、懐石の料理も夏の朝ですから、焼き物は省き生の魚は使わない「一汁二菜」。
丁寧で正式を軸に 朝茶では、「初炭」「懐石」「菓子・中立ち」「濃茶・続き薄茶」という順序で、「後炭」を省略し、濃茶と薄茶を続けて点てることで時間を短縮し、サラサラと進めることが信条です。

夏のご馳走は「水」。亭主は、前夜からしっかりと道や露地に水を打ち、準備を始めます。
お客様には マイナスイオンたっぷりの露地や、夏ならではの道具の取り合わや花、献立を楽しみ、メインである濃茶を皆で味わっていただきたいです。

普段の稽古はこの「茶事」を楽しむ作法や心を学ぶもの。ですから、茶事は稽古の集大成。とはいえ この茶事は、どの段階でも客として楽しむことができます。本当の「日本のおもてなし」を体感できます。
今夏は、稽古社中は勿論、懐石料理を協力していただいいる割烹料理店の若手スタッフ三名、昨年からタイに転勤している華道の弟子、主人が経営するスペインレストランへアルバイトで来ている交換留学生のスペイン人女性と体験の方も大勢参加します。私はまさに今、準備に追われていますが、この生みの苦しみ無くして 成功はないので頑張ります!

 「茶の湯こそ せぬひともなき手すさみの 心のするは世にもまれなり」/道安(利休の息子)


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蓮心会 高森 梨津子

「華道ワークショップ」の報告

2017年4月7日 Category: その他のお知らせ
 2年前、私が茶道と華道の稽古を始めてから、30周年を迎えることができました。
その記念に 導いてくださった全ての方へ感謝し、この「道」の素晴らしさを 少しでも伝えることが出来たらと、一般の方へ向けた『華道ワークショップ』を開催しはじめました。
 池ノ上のギャラリーを借り、池坊いけばなの「歴史」、「花形」、「生花」、「自由花」を4回にわけて講義と実技で伝えてきました。
毎回とても好評で やりがいがありました。
何より伝えるための勉強が自分自身の再勉強となり、とても充実した2年間でした。
しかし時間が割けなくなったのでお休みしすることを決めた時 『実は目の前にいる私の社中にこそ
一番伝えたい、是非聞いて貰いたい』と思っていたことに気付きました。
そしてその ちょうど同じ時、田無社中での「蓮心会 茶会・華展」に参加した茶道の生徒達から、
『華道にとても興味をもったので華道について教えて欲しい』との要望がありました。

 まさに『啐啄同時(そったくどうじ)』! 「碧巌録」の教えです。
 鶏が、生んだ卵を暖める。そして ヒナが殻の内側から『出たいよ〜』と殻をつつく。
 ずっと見守っていてた親鶏は、その瞬間を見逃さず 外から『出ておいで〜』と殻をつつく。
 鶏の親子に例えられるように、親子、師匠と弟子の“機縁の熟し”の大切さの教えです。

  以下のリンクもありましたのでご参照を。
http://www.eonet.ne.jp/~jinnouji/page9/houwa/page178.htm

さて、ワークショップのテーマは、『日本文化“華道”を知ろう』 。
 ① 華道の歴史、いけばなの起源から
 ② 「花を飾ること」と「建築様式」
 ③ 池坊いけばなの「華道」と「茶花」の違い、またフラワーアレンジメントとの違い
 ④ 実技:「茶花」「生け花」

平安時代の「寝殿造り」から鎌倉時代の「鎌倉建築」、そして室町時代の宋文化を積極的に取り入れた「書院造り」。時代と共に建築様式が変化し、時代に求められて文化が育まれる。
その意味を分かりやすくまとめたビデオをながしてから、レポートを配り詳しく説明。
足利義満の「北山文化」、義政の「東山文化」を伝えずして現在の茶道・華道は語れないのです。
華道の歴史=(イコール)日本の歴史なのです。面白そうでしょう?

1月は、大勢参加して下さりました。
1月の実技の茶花は、赤白の梅や木蓮、雪柳、木瓜、赤芽柳、そして椿等。
   
生け花の花材は、若松・千両・アイリス。水仙の生花も。 

1月に参加出来なかった方からのリクエストで3月にも開催。
3月の実技の茶花は、山茱萸・桃、そして椿など。 
生け花の花材は、桃・スイトピー・麦。 

 未経験者も稽古している社中も、それぞれに楽しみながら学んだ充実の一日でした。
参加者の皆さんから、『今までより茶室の茶花に深く関心をもつようになった。』『いつも通る道でも季節の草木に気付くようになった。』『簡単そうにみえる茶花でしたが、数本の枝花を選ぶのに これほど悩み大変なことだとは思わなかった。』など、多くの感謝の声をいただいています。

人生、まだまだ語れる年齢ではありませんが、私は多くの方に支えられ導かれ育てて頂いたのだとつくづく気付かされます。
また、一所懸命生きていれば、どんなことがらも 必然であったのだとも。
日々、感謝しています。

しかし、一日は「あっ」という間に時間が過ぎてしまうものですね。
でも焦らずじっくり学んでいきたいと思います。

来月5月に池坊いけばなの本部華展が開催されます。
28日の午後、華展ツアーをしますので(質疑応答出来ます)、ご希望の方はお申し込みください。
参加費は華展のチケット代のみです。


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蓮心会 高森 梨津子

「蓮心会茶会&ミニ花展」の花展の写真追加

2017年3月23日 Category: その他のお知らせ
昨年10月23日に開いた田無稽古場初の「蓮心会茶会&ミニ花展」の写真の追加です。
いまだに近所の方々から 『この間は素敵な会に招いてくださり、ありがとうねえ〜〜』と、つい最近のことのように声を掛けてくださるので 我々もなんだかそんな時間がたった気がしないのですが、、いえいえ、もう 5ヶ月経ちましたね。。
詳しくは「その他のお知らせ」2016年11月11日 に報告していますのが、その時 花展の写真が揃わず掲載出来ていなかった写真です。お待たせしました!
掲載順にいきます。銅器に込み藁で立てた「古典調立花」、亜希さん。

素敵な色合いの糸菊をメインにした「立花 正風体」、和歌子さん。

御玄猪(おげんちょ)に花配りで 石化エニシダと竜胆の「生花 二種生け」、美和子さん。
杜若と庭の砥草・紅葉したドウダンツツジで「生花 三種生け」、王さん。

ストレチアを主役にした「生花 新風体」、勇さん。

水盤にコスモスを主役にした「自然調自由花」、劉さん。

細いガラスの花器にアスパラガスとピンポン菊の「自由花」、燕さん。

変形花器にダリアをメインにニューサイランの線を生かした「意匠的自由花」、順平君。

黒く丸い小さな変形花器に緑から黄色〜オレンジ〜赤と、秋の植物の持つ繊細で綺麗な色を生かした「自由花」、瞳さん。

私は、「杜若 生花一種生け」を古銅に 勿論、配りで生けました。

総計10杯。花形もバラエティに富み、この花展は本当にお客様に大好評でした。

そう、そして この花展をきっかけに、茶道の社中から『華道のことをもっと知りたい!』との声が上がり、今年1月と3月に、田無の稽古場にての「華道ワークショップ」開催とつながったのです。

その華道ワークショップの報告も楽しみにしていてくださいね~~


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蓮心会 高森 梨津子

「桃の節句」

2017年3月3日 Category: その他のお知らせ
「灯りをつけましょぼんぼりに、
 お花をあげましょ桃の花・・・」
萌え出た草木が勢いづき、「いや生(お)い茂る」弥生(やよい)月。

梅や水仙など、冬の厳しい寒さの中に懸命に開く草木から、連翹や菜の花など明るい花草木が目につくようになりました。そんな自然界の徐々に移りゆく姿に気付く時、心も朗らかに温かい気持ちになりますね。

三月三日の「ひな祭り」は、「桃の節句」ともいわれ、ひな人形や桃の花を飾り 女の子の健やかな成長と幸せを祈りお祝いする行事です。
桃は中国原産で、古来から邪気を払い長寿を約束する仙木、仙花とされています。
桃の花の美しさは「紅(くれない)にほふ」と讃えられる女性の象徴。雛祭りには欠かせませんね。

この時季、茶道では「桃花笑春風」「柳緑花紅」に代表される語句の掛物を掛け、茶花は桃に合わせて菜の花、姫土佐水木などを床の間へ生けます。
海松貝(みるがい)模様の炉縁、貝合わせ香合、菱餅形の水指や蓋置きなど 春らしい道具や、雛祭りに関連する室礼(しつらい)を楽しみます。
お菓子は「引千切(ひきちぎり)」と云う蓬餅を引きちぎった様子の主菓子 や、雛あられ、貝尽くしの干菓子などが茶室を華やかに盛り上げます。
「春の野」と云う主菓子もこの頃の定番です。

華道では、桃の花やスイトピー・麦を合わせた自由花や、生花では桃の一種や桃と菜の花で二種、 また桃に雪柳、ラッパ水仙などで三種も素敵です。 他にも赤目柳や木蓮、山茱萸、小手鞠などの枝ものにフリージアや春蘭などの春の草花を取り合わせて楽しみます。
華道の生花を学んでいると良くわかるのですが、桃は木に面白い特徴があります。 伸びた枝先が途中で留り、その直ぐ下から新たに横枝が丸く伸びていきます。それを繰り返して育っていきますので、桃の木は遠くから見ると「丸〜るい」イメージなのです。
梅や桜や木瓜などとは枝ぶりが全く異なります。


 さて、毎年雛祭りが近づくと 子供の頃に母と一緒に過ごしたひと時を懐かしく思い出します。
家のは小さな雛段でしたがその小ささが好きで、箱から一つずつ人形のパーツをとり出して丁寧に組み立てていきました。(この写真はイメージです)
近所のお姉さん達は一番上段の「お内裏様」と呼ばれる花嫁花婿のような男雛、女雛に夢中でしたが、何故か私は上から二段目の三人官女が持つ長柄の銚子や、三段目の五人囃の小鼓や笛、また脇にある桃や橘の木などの小道具がとても好きでした。
今思うと、家のは桃ではなく桜の花だったと記憶しています。あらためて日本人形屋さんを覗いてみると桜が多いように思います。桜も「魔除け」「邪気払い」の力を持ち、橘は「不老長寿」を願う役割もあるとのこと。どちらも健やかに過ごすための象徴なのですね。

この五節句の一つ、雛祭りが今の様に設定されたのは江戸時代中期。
五節句には 一月七日[人日]、三月三日[上巳]、五月五日[端午]、七月七日[七夕]、九月九日[重陽] がありますが、この頃に一般庶民の間でさまざまな文化が繁栄したのですね。
ひな人形もこの頃から「座り雛」となり、嫁入り道具となったことで豪華なものが作られるようになったそうです。

  「雛まつり」のルーツを私なりに少し調べてみました。

古くは「上巳(じょうし)の節句」と云い、旧暦三月上旬 巳の日、古代中国(後漢)ではこの日に水辺で身体を清め、酒に水を注ぐ祓禊(ふっけい)(みそぎはらえ)の儀式があったそうです。
それが平安時代に日本に伝わり、和紙で人の形を切り抜いた形代(かたしろ)を作り、それで身体を撫でたり、息を吹きかけたりして身についた穢れを移して川に流す風習となったようです。
『源氏物語』の須磨に巻にも、源氏の君が祈祷師を頼んで人形を海に流すという件がありましたね。
また、この「水」と「酒」の厳かな儀式を娯楽にしたのが「曲水宴(きょくすいえん)」で、今も京都上加茂神社などで庭園の曲水に盃を浮かべ、流れ着くまでに詩歌を詠むという雅な遊びが催されています。

「流し雛」の風習は、今でも鳥取県や奈良県、兵庫県、岡山県などの地域で行なわれていて、
その様子をテレビで見たことがあります。
とても幻想的な風景でした。

実は日本でも、古代から農耕儀礼として人の形に作った「人形」を撫でて自分の罪や穢れを移し、息を吹きかけて海や川に流す風習や、幼子に病気や災いがふりかからぬよう天児(あまかつ)・這子(ほうこ)と呼ばれる「人形」を枕元に置いて災厄を移し負わしたり、お守りにしたりする独自の風習があったそうです。
また同じ頃、貴族階級の幼女たちは、男女一対の「人形」や「調度品」でままごとをする「ひいな遊び」がさかんでした。(「ひいな」は「雛」のことで、小さくて可愛いものをさします。)いつの時代も女の子が人形を好んで遊び、紙製の人形に衣装を着せて、その美しさを競い合ったあこがれの縮図だったのでしょうね。


  こうした中国伝来の邪気を払う風習、平安時代の宮中行事「曲水の宴」、そして日本古代からの民族事例が合わさって、女の子の健康と幸せを願う気持ちを「人形」に託して祝う形が現代の「雛まつり」の原型ではないか、ということがわかりました。

このように 紐解いてみると、「人の穢れを移して海や川に流すことで災いを取る」という本来の意味が潜んでいることがわかりました。

その昔、一所懸命組み立てた可愛いお飾りなのに、急いで片付けてしまうのは偲び惜しいと グズっていた私ですが、『お節句が終われば早く片付けるように』『早く片付けないと縁遠くなる!』と云われてきた意味に合点がいきました。
(正直に白状すると、片付けはちょっと面倒くさいとの理由もあったのですが・・汗;)

では、飾る時期を早めればいいのでは?と、調べてみると、地域で様々なしきたりが残っているようです。一番ピンときたのは、二十四節季の「雨水(うすい)」に飾ると良いとの説。今年(H29)の雨水は二月十七日でした。
雨水とは 雪が雨に変わる、雪や氷が解けて水となる。という意。「水温(みずぬる)む」と云う言葉が茶席でもよく聞かれる時節です。「雨水に雛人形」、来年は覚えておくことにしましょう。


さて、おひな様を飾る時「男雛、女雛、右か左か?」が不安になる方多いですよね。
関西と関東で逆だとか?さて、どちらなのでしょう。
その答えは京都の地図を理解する必要があるようです。
まず、内裏(だいり)雛は、京都御所「紫宸殿(ししんでん)」を模して完成されたものです。
その紫宸殿から見た左、右を根拠に考えられますので、「向かって右に男雛、向かって左に女雛」。そして左大臣は向かって右、右大臣は向かって左。また 左近の桜は右に、右近の橘は左に飾ります。『左近の桜・右近の橘』。
京都の人々は御所を中心に暮らしてきましたから、銀閣寺のある向かって右の方が左京区、嵐山の方が向かって左で右京区なのです。
左京は東に位置し、太陽が昇る「陽」の方角、右京は西で太陽の沈む「陰」の方角でもあります。
陰陽道の思想も根強い京都、「邪気を払う」ことをとても重視しているのです。

雛祭りゆかりの食べ物である「菱餅」も、陰陽道では女性の象徴であり、紅は桃花の「魔除け」、白は遠山の雪で「清浄」、緑は母子草やよもぎで、草葉の強い香りが邪気を払い「健康」を表すと信じられていたそうです。
「雛あられ」は貴重な米粒を使い、加熱してふくらませ紅白黄などの糖蜜をまぶしたもの。祖先の少女を雛祭りに参加させる道しるべにしたというやさしい言い伝えもあるとか。
奥が深くて探求し尽くせませんね!

中国では、この日は どのように過ごすのでしょうか?
今度、中国の方に聞いてみることにしましょう。


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蓮心会 高森 梨津子

中国から茶道体験に。

2017年2月21日 Category: その他のお知らせ
このブログの最後に「日々の稽古や、生徒の作品、ワークショップの様子などを(たまに)アップしています。よかったらご覧ください」
と、記し気軽に携帯から日々の華道の作品やイベントなどを更新していますが、
先日『FBは見ることが出来ないからブログを楽しみにしています』とのお声がありました。
このブログは携帯から投稿出来ないので頑張って家で更新しようと思いました。
..しかし、無理はできませんので、のんびりムードなのですが・・お許しください。
書きたいのとは山とあるのですが。。


今日はそのFBに記載した嬉しい茶道体験者のお話を。 1月中旬、ホームページの問い合せフォームから「茶道体験」の申し込みがありました。
内容は『中国から内の友達が日本に来るので茶道が大好きな人なので体験させてあげてほしい』と書かれていました。
時は上野華展真っ最中、生け込みの日でした。非常に忙しくタイトに時間に追われていましたので、返信を直ぐに出来ませんでした。
華展も無事終わり、次の日に主人とランチをしていると..『そういえば、突然中国の方が二人みえたよ』 との報告。『え..?』 HPに申し込みのあった次の日のことです。
私は生け込みで早くに家を出ているので 主人は何も分からず『ご予約はなさいましたか?』と 訊ねると、その方達はニコニコしながら『連絡したけど、返事ないから来たよ』とのこと。

私のホームページには、住所を最後まで記載していないので、どうやってこの稽古場まで辿り着いたのか??驚きました。
この情報過多の時代、便利さと危険が隣り合わせです。
私のこのホームページを見て、来たいと思って下さったのは本当に嬉しいですが、
私が「体験可能」と記載している意味は、「私という先生と そしてこの環境で良いかを判断をしてください」という意味であり、海外旅行のかたに体験をして頂く意味とは少し違います。
なので、実は断ろうと思いました。しかし、何故、辿りつけたのか??疑問だけ残りました。
兎に角、その謎を知りたくて 次の日私から連絡をとりました。そしてそれを訊ねたところ、『記載してある情報まで来て、何人にも尋ねた』とのこと。
もう明後日には中国へ帰国するとのこと。どうしても体験したいとのこと。丁度次の日が稽古日だったので参加していただくことにしました。

お会いしてみると、とても素敵なお二人! 男性の方は日本に10年位在住していて、
女性は中国で小学生の先生をされているとのこと。中国茶道を学校で伝えているそうです。
言葉の壁は有りましたが、私が伝えたいことと、彼女が知りたいこと、感じたいことが一致したようで、とても満足していただけました。
この嬉しいサプサイズに私も感動しました。
直ぐに彼女から「この体験の感動を詩に書きました。感謝の気持ちを伝えたい。」とメールを頂きました。
今度、私のとこで学んでいる中国の方に翻訳を頼むとにいたしましょう。
許可があったので下に記しておきます。

附诗:
      与友再拜松门处 千家茶道高森师

釜沸气散如仙境 茶道插花课中时

聆听师言观师导 仿若梦回大唐时

茶自利休唐传来 日本似若珍宝惜

三十二年习茶史 日行夜修不停绝

二十四年教茶史 桃李满天继绝学

程序繁杂礼法诚 和敬清寂现本真

品茗吃点不二心 赏画观器敬美言

茶道本是修心事 花道则是自然成

三生恭敬展茶道 情随茶浓人亦近

申酉戌时如白驹 临行依依难舍别

观音茗缔师生情 中日茶道一家亲

离别朝松门一拜 难忘今宵品茗时

日本定会再有期 松门再见更繁枝

   
今天,是中国的年三十,是全中国人民最重视的一天,全家老少欢聚一堂,共度团圆日,祈福新年日。此刻,妙在中国重庆,遥祝老师新年快乐,鸡年大吉,身体康健,吉祥圆满。期待我们的再次相见!

爱您的中国学生:妙妙
2017年1月27日

素晴らしい美人さんなんです。

これからも、日々の稽古や、生徒の作品、ワークショップの様子などをF.B.に(たまに)アップしていきます。見れる方はお楽しみください。
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我が家の茶会の報告も、写真がそろい次第 投稿しますからね。お待ちくださいませ。

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蓮心会 高森 梨津子

駒場和邸茶会と「新年能会」のお知らせ

2017年2月20日 Category: イベントのお知らせ
駒場和邸茶会について  昨年平成28年(2016年) 十月に、国際芸術家センターのイベントで『グアテマラ大使と共に茶会と懐石を@駒場前田邸迎賓館』という催しがありました。その「茶道」の講師を、との依頼で引き受けました。
駒場東大前にあるこの茶室は以前から大好きで(いつかここで茶会を開けたら・・)と思っていたからです。時は秋。『掬水在月手』の掛物を掛け、大きめの宗全籠に秋の草を沢山生けました。
「天然忌」の時期でもありましたので、如心斎好みの竹台子一つ飾り、陽炎園の糸瓜耳付細水指。
お道具は華やかさと落ち着き感のバランスを重視した取り合わせにしました。

茶道の歴史、この建築(書院造り)と日本文化の関係、抹茶やお菓子の頂きかた、茶道で大切にしている心、楽しみ方、等など 分かりやすくお伝えしました。
 
         社中(弟子)も凛々しい袴姿でおもてなしを。

大使からは、『何百回でも聞いていたい』との嬉しい感想をいただきました。
この会がとても好評で、リクエストが多くあったとのことで 今年も依頼があり、
来月3月にも『リトアニア大使夫人と共に・・』 という同企画を頼まれました。
(数時間で満員御礼となりました!今キャンセル待ちとのことです)
私も出来るだけ協力したいとは思っていますが、週末は田無稽古で一杯なので祝日でしか引き受けられないのです。

この建物の小間も素敵な茶室なので、いつの日か私の企画で茶会を開く夢も描いています。
さあ、3月20日はまだ桜には早いけれど春のしつらいはどうしましょう? 楽しみです。

先ずは、今月2月25日(土) 東川先生の『新年能会』があります。
去年と同様私の社中で添え釜をします。川崎能楽堂で13時半から16時頃まで。
私は「船弁慶」の一筋を連吟します。14時頃かな? 勿論、入場無料。
JR川崎駅から徒歩10分以内、どなたで大歓迎なので いらしてください。
そんなこんなで、今年もノンストップな状態で日々活躍させていただいています。感謝。

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平成28年 旧七夕会全国華展の報告

2017年2月20日 Category: 華道のお知らせ
毎年11月に開催される池坊いけばなにとって一番大事にしている華展「旧七夕会」。
『何故この時期に「七夕」?』については、昨年11月の「華道のお知らせ」へ明記していますし、
FBに掲載しましたが、先日この時の写真が届いたので改めて報告させていただきます。
今年のテーマは『花の力』。そう、いよいよ今年6月に公開される映画『花戦さ』。
初代・池坊専好の活躍を野村萬斎氏が演じます。
京都高島屋会場では初代専好や六角堂に集まる町衆の様子を再現されており、
華道を知らない方にも広く紹介したいとても見応えがある構成でした。
   

岐阜城で立てられた登り龍の立花。後ろの掛物に書かれた鷹が、今にも枝に停まるのか...
飛び立つのか.. 迫力満点の作品です!
 その時代の立花も沢山!  何度でも観たいほど素敵な企画作品でした。

 さて、私の作品はこちら→  
「蔓梅もどき」を勢いよく遊ばせました。(初日と2日目で微妙に違います;)
それに呼応させた緑色の葉は「コシアブラ」、紫色の花は「ブルーキャッツアイ(オカカンサス)」ブラジル原産の秋の花です。
正直、反省の多い作品ですが『これが今の私の精一杯』だと実感しました。
華展はなによりの学びとなります。感謝。

 さて、京都に滞在した帰りに、どこかに立ち寄り「自然」を味わうことも大切にしている私。
 今回は「小豆島」へ。  
紅葉で有名な「寒霜渓」、これぞ絶景! 紅葉のブロッコリーの様な森林の上を私たちを乗せた
ロープウェイが陰となり・・  そして頂上ではこの燃えるような楓が!  
 オリーブ園や、ヤマロク醤油蔵見学など..  
レンタルサイクルで走りまわった夜、ホテルの露天から煌々と輝くスーパームーン。
そして明け方の素晴らしい景色が今も焼きついています。
なにより、素晴らしかったのが小豆島に到着したとき迎えに来て下さった「ホテルグリーンプラザ」の妙齢の男性。(スーツ姿が極まった、紳士な方だなぁ..) ホテルに着くまでの15分位の間にさりげなくこの島の歴史や現状、見どころなどを紹介してくださる。
(もしかして、ただ者ではないかも?)と案じていると、後でそのホテルに貼ってあるポスターにその方を発見!(やはり、社長さんだ!あの風格だもの)と 出発前にフロントの方に『この方から素晴らしいおもてなしを受けました』と礼を述べると『実は社長の上の会長の上の相談役なのです。』と!
出来る方は、どんなに偉くなっても腰が低いのですね。とても豊かな気持ちになりました。
感謝多き秋。学び多き毎日。この感激を日々に生かしたいと思いました。。


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西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室
蓮心会 高森 梨津子

2017年の日本の美術館情報

2017年1月16日 Category: その他のお知らせ
今年は日本の美術館で魅力的な展覧会が目白押しです!嬉しいので記載する事にします。
先ずは、茶の湯関係から、
・「茶碗の中の宇宙 楽家一子相伝の芸術」 
 東京国立近代美術館 3月〜5月
 (京都国立近代美術館では昨年12月〜2月開催中)
 千利休の意を体して楽茶碗を生み出した、楽家歴代の名椀を東京で一斉に見られます。

・「茶の湯」
 東京国立近代美術館 4月〜6月
 これは、京都国立博物館「千利休展」から27年ぶり。(懐かしいです!)
 室町時代から近代までの茶の湯の歴史を博捜する貴重な展覧会!

仏像ファンにはたまらない、
・「快慶展」
 奈良国立博物館 4月〜6月
・「運慶展」
 東京国立博物館 9月〜11月
 この二人の素晴らしい作品をじっくり見比べ味わえる機会です。

・「海北友松(かいほうゆうしょう)展」
 京都国立博物館 4月〜5月
 室町時代〜桃山時代〜江戸時代前期の狩野派が時代ごとの権力者との関係を結びながら
 画壇の覇権を握っていく過程を追う大河ドラマのような特別展!

・「国宝」展
 京都国立博物館 10月〜11月
 絵画、書跡、彫刻、工芸、考古の各分野から約200点。
 雪舟の国宝指定作品6点の一挙公開、長谷川等伯<松林図屏風>、
 その息子久蔵の<桜図>の競演など! これでもかとばかりに名品が揃うそうです!

 春秋は京都へ。花展もありますし、楽しみが増えました。

先ずは、今月東京都美術館で開催される池坊いけばな展を満喫することからはじめましょう♡
 そうそう、
 6月3日から映画『花戦さ』では華道界の天才「専好」主役の時代劇映画が封切りされます。
 専好役は野村萬斎。華道の歴史を一般の方に広く伝えられたら嬉しい事です。

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「新年能の会」と「添釜」のお知らせ

2016年11月30日 Category: イベントのお知らせ
今年に続き来年度年も、企画目白押しです。

 *尚月会 新年会(能の会)へのお誘い
今年も東川先生が「新年会(発表会)」を開催してくださります。
そのお祝いとして 茶道の社中で 楽屋にてお抹茶を一服差し上げる「添え釜」をいたします。
「添え釜」では、点て出しでお菓子とお抹茶をお出しします。
能の会に出演される方は勿論、ご家族、お友達、どなたでもいらしていただけます。
「能」を鑑賞していただくとともに、「茶」を楽しんでいただけたら幸せです。

今年私は、『船弁慶』の一部を無本で連吟。社中も出演の予定です。
川崎能楽堂は、JR川崎駅から徒歩10分位(線路沿いのビルの近道あり)。
勿論、入場も無料。

日時: 平成29年 2月25日(土) 川崎能楽堂 13時半より16時(番組時間は予定)
                   *点て出しは、14時から16時 (予定)
  恥ずかしながら、初めての発表会の写真(2年前)→ received_953065354722626
  社中一同、皆様のお越しを心よりお待ちしています。

詳しいお問い合わせは、このH.P.のお問い合わせフォームへ。
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