蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

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H30 3月 IAC茶会報告

2018年9月20日 Category: blog
2年前程前から NPO法人 国際芸術家センター(International artists center)、「IAC」の依頼で
『大使(大使夫人)と共に学ぶ茶事・茶懐石』という企画の茶道講師をしています。
この団体は、国内外の芸術分野のみならず、食や伝統工芸、祭りなどの文化交流事業を通じて国際相互理解を目指す目的で、1960年から活動しているそうです。
私も大使館でのパーティへ数回参加させて頂きましたが、大使館で各国の歴史文化や生活習慣などの話を聞きながら、手づくりのクッキーや紅茶、時には家庭料理などを堪能し、日本に居ながらにして民族衣装や楽器なども楽しんでいて、各国との相互理解・友好促進の場になっています。
日本に大使館を置く国は現在153カ国。あまり馴染みのない国もあり、そのお国事情を学ぶ機会は貴重です。
こうした文化交流活動でお世話になった大使方へ、日本のおもてなしでお礼を。という思いから茶会の企画を立ち上げたそうです。
初回は 2016 10月「グァテマラ大使と共に学ぶ茶事と懐石@駒場旧前田邸迎賓館」。
同年11月、このブログで報告しました。
日本文化の代表といえる「茶道」について、その歴史と現代まで続く茶の湯の心、そして抹茶の頂き方 その作法の意味、などを説明。私の社中(生徒)が点前をし、大使とお集まりになった日本の皆さんと共に 茶道のおもてなしを学ぶことを楽しみました。
   
もともと外国に興味を持つ日本人が多い団体、参加された日本の皆さんも興味シンシン!
その時のIACレポート。 ↓↓
http://iactokyo.jp/2016/10/11/「グァテマラ大使と共に学ぶ茶事と懐石@駒場旧/

お陰様で大好評。半年後の2回目も、企画公開後 瞬時に満員御礼。
2017年 3月 「リトアニア大使と共に茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館」
そのレポートは、こちら ↓↓
http://iactokyo.jp/2017/04/25/teacelemony_komaba_0320/

皆さんの日本文化への関心の高さに嬉しくなりました。
リピーターの方もいらしてくださり、季節も変わるので切り口を変えて講義も楽しみます。
伝えたいことは山とあるので、こちらも何度でも楽しんで企画を組むことができます。

そして、3回目の今年。2018 3月「トーゴ大使夫人と共に学ぶ茶道と懐石@駒場前田邸迎賓館」
勿論、毎回英語通訳の方がいらしてくださいます。この国の母国はフランス語でしたが。
  
皆さん 驚かれるのは、煙草盆。 
今と違い、昔 煙草は セレブが楽しむ嗜好品。その精密な伝統技術も目を楽しませてくれます。
今回「会記」の説明を詳しくしたところ、大使夫人がとても興味を持ってくださり、
『是非 持って帰り、額に表装して応接間に飾りたい。』と。
 あぁ・・ 嬉しいやら、恥ずかしいやら。

この旧前田家迎賓館は駒場公園内にあり、重要文化財にも指定されている素晴らしい建物。
  二階 →  
建てられたのは昭和8年、当時外交官となっていた前田家当主が外国のお客様を招くために当時の粋を集めて建てられた和邸。庭には緑を背景に池があり前田家独特の雪見灯籠も点在、縁側に座っているとゆったりとした時間が流れて、ここが東京ということを思わず忘れてしまう空間です。
板戸の絵が とても素敵。燕子花(杜若)とツバメ。
 
   

本格的な書院造りで、床・違い棚・付け書院を備えた格式の高い茶室です。
そんな空間でお茶会を催し、伝統文化を伝えられることに 感謝で一杯。幸せな一日です。

実は、今年の9月にも依頼されたのですが 流石に身動きが取れず。英語の堪能なIACスタッフが活躍されたはず。ご興味のある方は、検索してみてくださいね。


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蓮心会 高森 梨津子
 

平成30年 東京連合華展 at 上野東京都美術館

2018年9月8日 Category: blog
去年まで1月に上野公園内の東京都美術館にて開催されていた東京連合華展、今年から本来の3月に戻りました。今年で85回、ということは 1933年 昭和8年から続いているのでしょうか、
凄いことです。凄いと言えば、「華展」を美術館で開けるのは池坊だけ とか。
割と早くから毎年出瓶させて頂いているので、私にとって約30回目位なのでしょうか?
だとすると ほぼ三分の一参加させていただけていることに? ちょっと感動!

どんなに前だとしても、初めての出瓶した日の緊張感は今でも良く覚えています。
ほんの数年前まで、この華展の生け込み時間の短さは(1時間も無い) 伝説的でしたから。

約二週間の間、ほぼ2日間単位で1200瓶もの作品が発表されます。
幸運なことに、今年は次期家元 池坊専好(由紀)さまのご巡視の日にあたりました。
社中も一般席に3名、出瓶しました。

私は、特別席という階で「生花(しょうか)」の「二重生け」。
(特別席では、展覧に企画があり 花形が指定されます。)
二重生けとは、竹の花器に二つ生ける口があり、「懸崖に生まれ育つ植物の生きざま」を表現します。下の重には「立ち上る姿」、上の重には「立ち下がりまた太陽を求めて立ち上る気」を。
自然界で見ることがありますよね、崖から懸命に伸びていく逞しい植物の姿を。
どの植物も、種が落ち芽がでた場所がどのような場所であれ、その場所で生きていくしか道はありません。人間のように気楽にお引越しはできませんので。
ここ、華道を学んでいて 見習わなくてはならないな・・と 思う一つです、はい。

さて、その作品 → → 下の重に木瓜、上に白椿。

由紀様のご巡視 →  
有難いことに 家元にも次期家元にも何度もご巡視でお言葉を戴く幸運に恵まれている私ですが、いつも深い視点で作品を観てくださることがわかるお言葉に、それまでの苦労が一変で無くなるのが不思議です。

生徒の作品も紹介します。「立花 正風体」 →  逆勝手です。
「生花・三種生け」 → 静けさが漂います。
日程を違えて「生花・新風体」 →  主役は彼の大好きなフリージア。
皆さん、素敵な作品でしょう? 本当に良く頑張りました。

先程 “苦労”と書いたことを不思議に思う方もいられるかもしれませんね。
「好きなことをしているのに、趣味なのに、なぜ 苦労?」 と。

何かを一心に学ぶ者が、それを深く続けていくなかで 行きあたる 一つの「関所」のようなものなのでしょうか・・?

初めは「趣味」として始めた習いごと。華道・茶道に限らず どのジャンルであれ私は当てはまると思うのですが「趣味の域を超える」と感じた経験をされた方も多いのでは?
そこで、続けるかどうか や 続けかた を 思案します。

『何故、趣味なのにこんなにツライ思いをしなきゃならん?こんな筈じゃなかった・・』等
そんな自分との葛藤を経験し、「気楽な筈だった趣味」を「生きがい」「生涯の学び」へと切り替えた方は、「苦労の先に得ることのできる喜び」を知る。知ってから切り替えた方もいるでしょう。
だからちょっとくらい辛くても、これは「生みの苦しみ」と くじけずに前を向ける。
勿論、「趣味」として気楽に楽しく稽古続けることも全く間違えでは無いです。
人それぞれ。
何が自分にとっての“生きがい”か なんて、誰にもわからない。

一人の社中が云いました。『この道は、私にとって趣味ではなく “資格”。責任を持って学んで生きたい』と。
私にとって、忘れられない 素敵な言葉です。

私自身長く続けてきたなかで悩んだこともありました。その私がこれだけは言えます。
『継続は力』。
その“力”は、想像以上に強く逞しい、そして 優しい“友”です。
私はその友に 幾たびも救ってもらっているので それだけは、確かです。

実は、今年の私の出瓶作品にはとんでもない裏ドラマがありました。
出瓶が決まってから約半年間、毎週のようにこの花形を学んできました。様々な花材で。
生花・立花にはその置き方により「本勝手」と「逆勝手」があるのですが、
今回何故か自分は「逆勝手」と思い込み練習を積んでいました。生け込み当日まで。
しかし!なんと、生け込み会場に行き 生けはじめるとお隣の方が
『良いわね〜貴女、本勝手で、、』と云うではないか、『へっ??』
周りを見回す。確かに、私の場所は本勝手の席だ! 『な、なんてこと・・』

「本勝手」と「逆勝手」とは、太陽の位置が真逆の設定となるので、枝ぶりが全て「逆」となる。
もう、生け込みの時間は限られている。花材も最低限しか、無い。
『絶体絶命』とは このことか?と 云うほどの危機なんです。
周りの方々も凍っている様子。
しかし、愚痴ったって悩んだってどうしようもない。『やるしか、無い』のです。

師匠から良く聞いていました。『私の師匠は、出来上がる直前に “それ、真の向きが逆やで” と云う』と。これは正に今の私の状況と同じ。全ての生け直しを意味します。
師匠はこんな状況をくぐり抜けてきたのか・・と 気持ちを瞬時に切り替えた私。

『今できるベストを尽くす。』これしか無いのです。
それもこれも「継続の力」のお陰なのです。
結果、限られた方しかその裏ドラマを知らぬまま無事、大好評のうちに終えることができました。
長くなりましたが、「生みの苦しみ」を“快感”に切り替えられる術を長年のうちに学んだのでしょうか?
先日、バレー(踊り)と吹奏楽を学ぶ弟子と話していたら『わかりますゥ〜、練習中は なんで出演するなんて言ってしまったのかって後悔してるんですけどぉ〜、終わってみるとまた挑戦したいって思うのですよねェ〜』と。
それができるってことが、その習い事と相性が良いってことなんだと思いますよ〜〜

さて、来年の連合華展の日程と私の花形が先程決定しました。
会期は来年 3月21~30日。私の出瓶は21日(祝日・木)、22日、生花「船・釣り・逆勝手」。
社中も3名。その内初参加の男性も。楽しみにしていてください。


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蓮心会 高森 梨津子
 

平成30年度 新年能会の報告

2018年9月8日 Category: blog
 ワタクシごとながら、長年の夢だった「能」の「謡(うたい)」を習い始めて ハヤ4年。
「謡」ってなに?と 良く聞かれます。「能」が趣味の方以外、「詩吟」「御詠歌」「長唄」「小唄」などの違いは 分かりづらいですよね? 大丈夫、私もそうでした(笑)

能の音楽は、謡(うたい)と囃子(はやし)で成り立っています。主人公「シテ」、相手役「ワキ」(複数人)、そしてその出来事やその風景描写、心情を朗誦する「地謡」(ジウタイ)で構成されています。
「能」の歴史は平安・鎌倉時代と古いが、室町中後期頃から一般の人々が「謡」を習うようになったそうです。
こんな謡本で学びます→
最初はチンプンカンプンでしたが、難しいと思った言葉・日本語の美しさがわかるようになり、
回を重ねるうちに 物語が口語体で理解できるようになってきました。

華道・茶道の教えに深く影響を与えている世阿弥の「風姿花伝」。
一般的になかなか縁のない「能」、その教え 素晴らしさを 社中と共有したいと思いから「能のワークショプ」も開催。そしてその頃、私の師匠 宝生流 東川先生が先生の社中だけの発表会を開く事に。
この機会を活かさない手はない!と 高森社中「蓮心会」で発表会の「添え釜」を企画。
能楽堂の控室を一部屋借りて、出演者やご家族お友達に抹茶を点て出しでおもてなしします。
初回はなにせ 初めての遠征でしたから、社中もかなりテンパっていたようです。
が、今年3回目ともなるとすっかり慣れたもの。笑顔が余裕綽々、蓮心会社中 見事です!
また、この「添え釜」にお客様も慣れてくださり、何度も足を運んでくださります。
一回一回、積み重ねる事で関所を抜ける醍醐味を体感します。

そこで、今年の掛物は『関 南北東西活路通』。関所を抜けると何処にでも活路は通るよ、の意。
  ←会記も社中が書いてくれました。
私たちも出演の合間に、一服。→

一緒に習っている親友と一緒に「経政(つねまさ)」を無本(暗記して本を見ない)で、
連吟(二人以上で声を揃えて謡う)。そして、私は初めて仕舞「橋弁慶」に挑戦!
  →私は源 牛若こと義経。

今回は3回目という事で、先生から「蓮心会社中の方も是非」と声をかけていただき
有志を募り、3名で「羽衣」を無本で連吟!
3人は、たった三回ほど先生に指導していただいただけなのに、それはそれは見事な出来栄!
流石、私の弟子。サムライ根性が受け継がれています。(と、皆に云われました)

お客様も沢山来てくださり、「能」に馴染みのない方も『初めての観能だったが、とても楽しめた』と 大好評でした。
確かに、初めてでプロの能舞台を長時間見るよりも、ダイジェスト版で見ることが出来るので
これはなかなか良い機会かも?

来年4回目は、2月23日(土曜)に決定。同じく川崎能楽堂。
再来年は東川先生、五周年を記念して 本拠地 宝生能楽堂で「能」も企画しているとか?
月に1〜2回、一時間位の謡の稽古ですが、細く 長く 継続していきたいと思います。
先ずは来年2月を目標に、コツコツ。


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平成30年 初釜から・・

2018年9月8日 Category: blog
 今年の1月5日以来の「ブログ」です。今年の前半の半年は半端ではないスケジュールだと 前もって覚悟はしていましたが、それは想像を超えるほどでした。
9ヶ月経った今 ようやく机に座る時間が少し持てました。
ザッと思い返すと、1月「華道清祥会新年会」、2月「初釜」「華道清祥会研究会」「新年能会」、3月「IAC駒場前田亭茶会」「東京連合上野華展」「利休忌」、4月「蓮心会・松露庵茶会」、5月「日本橋池坊本部華展」「蓮心会懇親会」、6月「靖国神社史緑茶会」「京都華道歴史講座」「華道清祥会研究会」、7月「朝茶事」、8月「師匠宅朝茶事」。
そして今後の予定は、9月「清祥会青年部八ヶ岳方面散策」「靖国神社史緑茶会」、10月「天然忌」、11月「炉開き」「猶有斎襲名茶会(京都)」「京都華道歴史講座」、そして12月の「納会」。
どこまで、ブログへ書けるか不安ですが、時間を遡り更新していくこととしましょう。

毎年、年の始めを寿ぐ祝いの茶事「初釜」。なんと今年は、1月下旬に数回とんでもない豪雪が!
そんな中、竹垣を新しくするこにしたために準備が間に合わず毎日が大わらわ。今 思い出しても気持ちが高場ってしまう程です。
しかしそこは流石、ピンチをチャンスに切り変える茶人。長年の夢だった「敷松葉」をすることに。「敷松葉」とは、冬季に霜柱から苔を守る為に松葉を敷き保護をすること。
その風情が冬の露地の風物として素敵なので 私の憧れでした。写真が有ります。
  ←社中です
残る雪と松葉の風情が素敵でしょう?  
新しくした 竹垣→ とても良い竹だったので鉄砲垣根も新品に。
今年は「戊犬」、榊原勇一さんの狛犬の香合のお披露目です。  
「前茶」なので 炭点前の後に菓子、そして濃茶。
床の間の花は青竹の一重切に 紅白の椿と山茱萸。
山茱萸はミズキ科の落葉樹、季語は春。部屋を改め、広間の室礼で茶懐石〜薄茶。
 
今年は及台子に紫交阯の皆具、五代 五郎助作花入に紅白の梅と椿。
一汁三菜。煮物椀は「雲丹帆立真蒸」、八寸は「鮑と、ちしゃとうの味噌漬」。
  

敷松葉に新しい竹垣。当日の朝まで準備に追われ、どうなることかと気を揉んだ初釜でしたが
客にとっては初めての趣向に大興奮!素晴らしい茶事となりました。
今年は親友が茶会風景をビデオでも撮影もしてくれました。いつか まとめてみたいと思っています。

『しかし この敷松葉、誰が引き上げる?』・・との 不安が脳裏にかすめまませんか?
はい。それは5月、蓮心会社中有志で。
松葉の表面は乾いていましたが下は湿り気が残っていて大事な苔が水々しく生きていて、、
とても大変な作業でしたが、一同感動!昔の方が考えた技は素晴らしい、用と美の美しさ。
こんな 忘れられない伝説の初釜でした。

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