令和4年 朝茶報告
こんにちは 今年初のブログです。
令和5年度の初釜も、能の発表会も無事に納め、ホッとしている三月「上巳の節句」の頃です。
去年書きかけのままになっていた朝茶の報告を遅ればせながら掲載させていただきます。お許しくださいませ。
****
今年は暖かい天候が続き、長く秋を堪能していた気がします。
ただ、お茶人さんは毎日の気温ばかりで判断するのではなく、
風炉から大板、中置きと、茶釜の置き場所が、ほんの少しずつ移ることや、障子の隙間からの微かな風の違い、そして床間の花籠に可憐な秋草が盛んに咲いていたのが、徐々にススキが尾花となり、道を歩きながら見上げた空の高さの変化に確かな季節の移り変わりを敏感に感じることができます。
さぁ、朝茶の報告をしましょう。
今年も相変わらずコロナ感染者は、波を打つように増減を繰り返しつつも収束にはまだ時間がかかりそうで、朝茶の頃もちょうど増えていた時期でした。
「必ず伺う」と前礼をくれた3人が、なんと直前に感染してしまったり濃厚接触者になってしまったり。
生徒の中に一人、医療関係者のため、この3年間稽古をお休みしていた人がいます。彼女はこの3年で自分の働き方や生き方を見直し、実家へ帰る決心をしました。
「いずれは…」と思っていても、環境を変えるのはとても大変なことです。彼女の「地元に戻り、親の近くで仕事をして、自分が親の面倒をみたい」という優しい想いはすばらしいと思いました。
しかし、いつも明るく和やかな雰囲気にしてくれる彼女が稽古場に居ないことを想像することは辛いことでもありました。
ずっと一緒に稽古をしたいと思っていたのは、本人よりも、私や一緒に稽古をしている仲間たちのほうが強いのかもしれません。
人と人は、永遠に一緒にいることは出来ません。
しかし、心が繋がっていたらどんなに離れていても以心伝心。
そんなテーマから玄関の掛物を選びました。
南山打鼓 北山舞 (なんざんに つづみをうてば ほくざんにまう)
「雲門広録」に収められている禅語の一つです。
南の山で鼓を打つと、鼓の音が聞こえるはずもない北の山で、鼓に合わせて舞っている。
心が通じ合って入れば距離など関係なく一心同体。
久田宗也宗匠の書かれた短冊です。
寄付きの掛物は、12代即中斎宗匠の横軸 『清風』。
本席も、同じ即中斎宗匠一行 『清風動脩竹 (せいふう しゅうちくをうごかす) 』

脩竹とは、細長い竹の意味。爽やかな風に吹かれて サラサラと、葉鳴りの音を立てている情景が浮かびます。
「風」だけでも、「竹」だけでも、音を生み出すことはできない。風が竹を「動かす」ことで、この爽やかな境涯が生まれる。
爽やかな言葉の裏に禅語の深さが響きます。
毎回茶事を開く度に、新しいお道具をお披露目することにしていますが、今回の朝茶では、数ヶ月前に「春慶塗の丸卓」を入手していたので、それに従来のお道具を組み合わせて…と、考えていました。
そう考えていたのに、朝茶の直前に「出会って」しまったのです。完全に一目惚れしてしまいました。長いお付き合いをさせていただいている信頼できる京都高野竹工のギャラリーにて。
まず、待庵の古材を使った「風炉先」、「天王山写し」。妙喜庵の士芳老師の花押も漆で書いていただきました。高野竹工の職人、不窮斎作。
岩清水八幡・男山から天王山を眺めたときの景色を妙喜庵の古材で写したもの。
「天王山」は大山崎の山で、天下分け目の天王山の山崎合戦の舞台。秀吉は天王山に城を築き、利休に2畳の茶室「待庵」を作らせました。その茶室が後に妙喜庵に移築されています。
天王山北西には、細川三斎と古田織部が境に蟄居する利休を見送った場所。
戦国時代から安土桃山時代、生死をかけて生き抜いた武士たちの息遣いが感じられる妙喜庵の古材で天王山の山並みを写した「風炉先」。
茶室全体を山々に囲われた大自然に一気にワープさせてくれました。
そして、「水指」は高野竹工の伝説の名人職人、不虔斎(増田宗陵)作「さざなみ」。
春慶塗の丸卓にこの水指を合わせたい!そう頭の中でイメージのチャンネルが会ってしまったのです。
もう、こうなったら止まりません。
永楽の青交趾、「波」の蓋置きも 初お披露目いたしましょう!

毎年ドキドキの茶花。初日は桔梗朝顔が咲き、
2日目は釣鐘人参・松本センノウ・みそ萩・白河原撫子・糸芒を蝉の花入へ。


主菓子は吉祥寺に本店を持つ亀屋万年堂さんに「玉川」を発注。

干菓子は10年ぶりに、京都亀屋良永さんの「朝露」。朝顔の蕾が可愛い背負い籠に入っています。


さて、私からの一方的な報告が長く続いたので、生徒からのお礼の手紙を少し抜粋させていただき、その後に懐石料理を明記し、朝茶報告を終わりましょう。
Miさんからの手紙です。
『私たちの住む日本は、こんなに素敵な文化を持ち、それを存分に味わう感性を持っているのだと、とても誇らしく、日常の些細な光景もなんだか違って見えます。(中略)人生には予め決められたシナリオなど何ひとつなく、全てがその時その時の最適な奇跡の連続なのだと深く感じました。お客組み、その日の天候、床の間のお花など・・・普段暮らしている中で、ともすると人間が全てをコントロールしている錯覚を抱きがちですが、決してそんな事などなく、私たち人間も大きな流れの中で、ただ生かさせている小さな存在に過ぎないと感じました。だからこそ、こうしてお茶事に参加できる奇跡に心から感謝し、瞬間瞬間をめいいっぱい味わいながら、五感をフルに研ぎ澄ませて味わっていこう。お茶席で何度もその様に感じました。茶室の中で、清流や山々を感じ、暑い中でも涼を感じ、その場にはいなくても他の社中や作り手さんとも繋がれる。八畳の茶室にいながらにして、空間や時間を超えた広いつながりを感じたお茶事でした。(後略)』
参加した皆さんからこうしたお礼のお手紙を頂くことが いつも楽しみでなりません。感謝。
[ 朝茶事献立 ]
鱧寿司・鰆西京焼・鶏丸・冬瓜煮・巻き湯葉
薩摩芋栂尾煮・茄子田楽 柚子味噌・花蓮根
枝豆、蓮芋、玉蜀黍、大徳寺麩の胡麻和え
青楓生麸・よもぎ麩・車海老
煮物椀 卵豆腐アーモンド入り 三つ葉 アスパラ 青柚子
小吸い物 新生姜 梅干
八寸 かます風干し 小倉朧昆布
お湯

さあ、昨年の朝茶報告が無事に済みましたので、しっかりと頭を切り替えて初釜準備に集中します。
今年はワタクシ、「年女」。そう干支全てを一周させて頂きました。
現実に「還暦」を迎えてみると、若い頃抱いていたそのイメージとは全く違いますね。
ここまで健康で、好きなことをして生きさせてくださった全てに、感謝の気持ちを込めて開催したいと思います。
*******
はい。こうして令和5年の初釜も1月最終土日に開催し、
毎年恒例の「尚月会」、能の発表会も無事終了。
今は3月下旬の京都と東京上野で開催される華展の準備中です。
今年の初釜も、素晴らしかった。その報告はいつ書けるのか・・・
楽しみにしていてください。 (笑)
西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室 蓮心会 高森 梨津子
令和5年 3月稽古日のお知らせ
*茶道教室 3月
・水曜日 1日、8月、15日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 5日、12日、19日 12時〜17時
人数の都合で時間の変更もあります。直接お問い合わせください。
<花展のお知らせ>
* 京都七夕花展 3月24日~27日、私は石渡雅史生花教室の前期に出瓶します。
*東京都美術館 3月21~30日の間、二日間ずづ5次、開催されます。
私の出瓶は5次、29・30日、特別席へ立花新風体 54番席です。
私の社中の出瓶は、1次 151番席 生花 三種生け。3次 122番席 自由花。
そして私と同じ 5次に 91番席 小品自由花です。
是非、いらしてください。チケットがありますので、直接お尋ねください。
*華道教室 3月
・水曜日 1日、8日、15日 12時〜22時
・土曜日 4日、11日、18日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 3500円+花代(約1500円〜)
ドスガトスH.P.→ https://www.dosgatos.jp
日々の稽古や、生徒の作品、またプライベートもF.B.とInstagramにアップしています。
https://www.facebook.com/ritsuko.takamori.7
https://www.instagram.com/sado_kado_ritsuko/
よかったらご覧ください。
* YouTubeはお休み中です。
西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室 蓮心会 高森 梨津子
令和5年 2月稽古日のお知らせ
*茶道教室 2月
・水曜日 8日、15月、22日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 5日、12日、26日 12時〜17時
人数の都合で時間の変更もあります。直接お問い合わせください。
* 2月19日に「春の能会」が開催されます。
東川尚史先生社中の発表会です。
会場 : 川崎能楽堂 13事半〜16事半 観劇無料
蓮心会社中で添釜を開催します。詳しくは直接お尋ねください。
*華道教室 2月
・水曜日 8日、15月、22日 12時〜22時
・土曜日 18日、25日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
* 今月、11日は清祥会研究会「生花」です。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 4000円+花代(約1300円〜)
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* YouTubeはお休み、次の企画を構成中です。
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令和4年 1月稽古日のお知らせ
*茶道教室 1月
・水曜日 9日(月・祝)、18月、25日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 9日(月・祝)、22日 12時〜17時
人数の都合で時間の変更もあります。直接お問い合わせください。
* 1月28、29日に「初釜」を開きます。
今年も本懐石、「続き薄」のスタイル開きます。
茶事の準備は 9、18、21、22、25日昼庭手入れ、27日(金)は懐石仕込み。
*華道教室 1月
・水曜日 9日(月・祝)、18月、25日 12時〜22時
・土曜日 9日(月・祝)、21日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 4000円+花代(約1300円〜)
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令和4年12月の稽古日のお知らせ
*茶道教室 12月
・水曜日 7月、14日、21日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 4日、11日、18日 12時〜17時
人数の都合で時間の変更もあります。直接お問い合わせください。
* 18、21日の昼に「納会」を開きます。七事式の中から今年は「花月」を学ぶ予定です。
簡単な祝儀の膳も用意し、 一年の無事を祝います。
*華道教室 12月
・水曜日 7月、14日、28日(28日は昼のみ) 12時〜22時
・土曜日 3日、10日、25日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
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令和4年 11月稽古日のお知らせ
*茶道教室 11月
・水曜日 2月、16日、30日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 6日、20日、27日 12時〜17時
* 各時間1時間前より準備の稽古が出来ます。
人数の都合で時間の変更もあります。直接お問い合わせください。
*華道教室 11月
・水曜日 2月、16日、30日 12時〜22時
・土曜日 5日、19日、26日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 4000円+花代(約1300円〜)
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令和4年10月稽古日のお知らせ
*茶道教室 10月
・水曜日 5月、19日、26日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 2日、9日、30日 12時〜17時
* 各時間1時間前より準備の稽古が出来ます。
*「天然忌」は10月2日(日)の12時〜17時に開催します。
*華道教室 10月
・水曜日 5月、19日、26日 12時〜22時
・土曜日 1日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
また、今月は土曜日が1日のみなので、水曜か日曜日に振替をお願いしています。
* 10月は23日(日)に清祥会青年部の華展が開催されます。
場所:御茶ノ水 池坊東京会館 一階
10時〜16時 入場無料
是非、いらしてください。詳しくは直接お尋ねください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
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3年ぶりの祇園祭 山鉾巡行。
今年2022年、3年ぶりに祇園祭の山鉾巡行が再開されました。
平安時代に厄除退散を祈願して始まったお祭りです。
ちょうど 京都の華道の学校の時期と重なったので、是非観たい!と、山鉾巡行を翌日に控えた23日、仕事を切り上げ新幹線に飛び乗り 23時京都着。宵山の巡行の無事を祈る「日和(ひより)神楽」にギリギリ間に合いました。
「日和神楽」は祇園囃子を奏でながら、御旅所に行き、祇園囃子を奉納する行事です。

↑ この日和神楽の最後に、南観音山(みなみかんのんやま)の御神体・楊柳(ようりゅう)観音像を蓮華の形に作った台座・蓮台に巻き、町内を回ります。山鉾の駒形提灯が灯され、囃子を奉納して晴天を祈願します。
そして24日は山鉾巡行。元々 山鉾巡行は、町の邪気や穢れを山鉾で清め、祇園祭の主神である八坂神社の神様が通る道を作るために行うもの。
「橋弁慶山」を先頭に11基の山鉾が御池通・河原町通・四条通を巡行します。今年は「鷹山」が 196年ぶりに復活するので、皆とても楽しみにしています!





毎年、蓮心会京都支部長より、祇園祭の特別なお守りを頂きます。
この時期だけ八坂神社や各山鉾町で授与されるもので、翌年の祇園祭まで疫病や災難除けとして玄関先に吊るします。

毎年違う 山の粽 のお守り。これは 本当に嬉しいです!
『蘇民将来子孫也 (そみんしょうらい しそんなり) 』という言葉が書かれています。さて、皆さんはこの言葉、ご存知でしょうか?
『蘇民将来』とは、「備後国(びんごのくに)風土記」に書かれた人物名で「昔、須佐雄神(すさのおのかみ)が一夜の宿を借りようとして、裕福な弟の巨旦(こたん)将来に断られ、貧しい兄の蘇民将来に迎えられて粟飯をご馳走になった」ことから、「私は蘇民将来の子孫ですから守ってください」という意味でお守りになったというものです。
大昔は祇園祭に、ちまきにこのお札をつけて、山鉾から投げていたと聞いたことがあります。祇園祭に欠かせないお守りです。
この粽は、藁(わら)を軸にしてクマザサの葉をイ草で三角形に巻き、それを10本で1束にして形が整えられた厄除けの飾り粽。
5月の端午の節句の粽とは違って食べられません。(→端午の粽、とても美味しいのだけど、笑えるほど食べ難い)
いずれのちまきにも『蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)』と記された護符(ごふ:おふだ)が付けられています。
生徒から『先生、「孫」と言う字が可愛い!』と言うので良く見てみると、確かに…
「子(ね)」の字は子供を表しています。(元々了の上部は丸で頭を表しその下に腕が左右に一本) その子に、お団子のような小さな子供みたいなのがひっついています。「孫」という漢字は自分の子供の子供という意味だからなのでしょうね。

キュートなところに気が付きましたね。
感染症が騒がれだした3年半前、師匠の稽古場で『今年は祇園祭は何にもしないのだって!全く京都は観光重視になってしまって、神事の事を忘れてしまったのね、情けないわ〜』と、愚痴を聞きましたが、
すぐその後に蓮心会京都支部長からホッとするお便りが届きました。
『昨日17日はちょうど山鉾巡行の日でした。先生、ご安心下さいませ。今年は山鉾の姿はないですが役員の方々や保存会の方々が榊を持って巡行されたり、かなりの縮小ではありますが粛々と神事を含む祭は執り行われております。皮肉にも今年ほど祭の意味を感じる年はありません。
16日には観客を入れずにお献茶も。今年は表千家の番でした。お茶が疫病退散の祈りに係わっているのは誇らしい気がします。
(中略) 私は 今日、お稽古の日でした。本日も祇園祭の室礼をして下さいました。お送りした御守の香合と蓋置きのお写真を撮らせて頂いたのでお送りします。↓


先生から『今では香合にしている方も多くいるけど、最初に考えたのは僕だよ。こういうことを考えるのも楽しみなのだよ』と少し嬉しげに教えて下さいました。
蘇民将来も祇園祭についても調べてみるほど奥深く、毎年迷宮入りしてしまいます…』
↑ 京都のお稽古の様子も楽しめるお便りをありがとう!
3年前は時間が沢山あったので、調べものをしていたら、2008年7月の「華道」月刊紙に祇園祭のことが書いてある記事を見つけました。
『祇園祭のルーツは平安時代中期、疫病の流行を鎮めるため、人々が鉾を手に練り歩いたという。現在のように町内ごとに鉾や山を建てるのは、室町時代から。
今の山鉾巡行は17日と24日の2度行われている。
17日の巡行の前夜祭にあたる宵山が16日に、前々夜祭の15日が宵々山と呼ばれる。この3日間の祭りが前祭(さきまつり)という。
そして「後の山鉾巡行」が24日。その宵山が23日、宵々山が22日。
この3日間の祭りが後祭(あとまつり)と呼ばれている。
要するに私が23日に見たのは、後祭の宵山ということ。
→ 今によく云う「後のまつり」の語源。♪
この絵図は「都名所図絵」↓

↑「京都の豪商たちが競って山の飾りなど華やかに盛り上げていったが、昭和41年、繊維業界が『長く商売を休めない』」と、一時は山鉾巡行は17日しか行われていなかった時期もあった。」
…「そんなこともあったの〜」と、調べてみると、この記事が書かれた6年後の2014年から後の祭りが再開されたとのこと!
こうして千二百年近く続く歴史あるお祭り。
くじを引かず、いつも先頭と決まっている「長刀鉾」にあやかりたいものだと、即中斎が描かれた扇子も茶席での御馳走です。↓

7月は京都の池坊研修学院での勉強期間に重なる事が多く、洛中に「コンチキチン…」の音が聞こえる風情は大好きです。
学んでいる週の昼間はもちろん観光は出来ませんが、24日頃夕方17時から3基の神輿は四条御旅所から氏旅社(御供社)を経由し白馬に乗って八坂神社へ神様が帰られます。この道を山鉾巡行は清めていたのですね。
この大切な「還幸祭(おかえり)の御神輿」に縁があり、何度か観ることがあります。静かでとても神秘的な感じがして一番好きです。
今年3年ぶりに祇園祭を(少しですが)間近で堪能することができ、つくづく このお祭りが京都人にどれほどまでに愛され、守られてきたかを肌で実感することが出来ました。
町内の方々が、まるで運動会の我が子の活躍を応援するような気持ちで見守る様子に大感動です。
7月一杯続く祇園祭の最終日、蘇民将来は八坂神社境内にある疫(えき)神社に祀られ、茅の輪をくぐる夏越の祭りが催されます。
「疫神社夏越祭」、祇園祭を締めくくる最後の行事。
「茅の輪くぐり」とは、日本全国の多くの神社で、主に6月30日ころに行われる「大祓」、「夏越の祓」の神事。
そう、
この神事が「蘇民将来」と深く繋がっているのですね〜。
田無神社でも、毎年6月いっぱい「茅の輪」が設置してあり、それをくぐることで、半年の間についた汚れを落とし、残り半年の無事を祈ることが出来ます。
3年前には新型コロナの鎮静を祈る行事が行われました。
祇園祭のことは、深すぎて詳しくは書ききれないなぁ… と思っていたら最適のサイトがありました。↓
http://www.yasaka-jinja.or.jp/event/gion.html
大昔からこの、新型コロナウィルスのような疫病は存在していたのです。昔の人は、それを祟りや鬼の仕業と思い、なんとか鎮めようと受け継がれてきた行事。
「花火」も、元々は鎮魂の想いからですしね。
きっと、各地方にも沢山こうしたお祭りは受け継がれているのでしょう。
日本各地で大切にされている行事を、もっといろいろ知りたくなります。
こうした「祈る心」の強さは、きっと絶大です。
「健康」に感謝し「皆の厄除」を祈願する。
人間の根本の 想い を見つめなおしていきたいと思います。
そうそう、三年前には、「伊勢角屋麦酒」の「コロナウィルス退散セット」を戴いたなぁ。

「蘇民将来子孫也」のお話は、素盞嗚尊 (スサノヲノミコト) の御神徳なので、伊勢神宮でも大切に受け継がれているのは間違いありませんね。
とても美味しかったです♪
こうして、改まってブログに更新することは なかなか難しいのですが、日常の細々とした報告はInstagramやF.B. で公開しています。
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令和4年 9月 稽古日のお知らせ
*9月 稽古日のお知らせ*
*茶道教室 9月
・水曜日 7月、14日、21日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 11日、18日、25日 12時〜17時
* 各時間1時間前より準備の稽古が出来ます。
*「天然忌」を今月28日(水)と10月2日(日)の12時〜17時に開催します。
*華道教室 9月
・水曜日 7月、14日、21日 12時〜22時
・土曜日 10日、17日、24日 12時〜17時
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3500円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 4000円+花代(約1300円〜)
ドスガトスH.P.→ https://www.dosgatos.jp
日々の稽古や、生徒の作品などをF.B.とInstagramにアップしています。
https://www.facebook.com/茶道教室-華道教室-438381252917488/
https://www.instagram.com/sado_kado_ritsuko/
是非ご覧ください。
youtube更新しています。
毎月1日 公開予定。
更新は月一回程のペースです、どうぞゆっくりとお楽しみください。
宜しければ、「チャンネル登録」を、お願い致します。
西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室 蓮心会 高森 梨津子
令和4年 8月 稽古日のお知らせ
*8月 稽古日のお知らせ*
*茶道教室 8月
・水曜日 24月、31日 12時〜16時 / 18時〜22時
・日曜日 21日、28日 12時〜17時
* 各時間1時間前より準備の稽古が出来ます。
*今月は「朝茶」開催のため、稽古は2回とします。お了承ください。
*華道教室 8月
・水曜日 10日、24月、31日 12時〜22時
・土曜日 13日、20日、27日 12時〜17時
(20・27日は始まる時間が遅くなります。決まり次第直接お知らせします。)
* 上記茶道教室の時間に茶室での華道稽古は可能です、ご相談ください。
*田無教室の『茶道体験』は 一名様 お菓子、水屋料込みで3000円、
『華道体験』は 一名様、花代別で3000円と致します。
現在「見学のみ」は承っておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
・吉祥寺「ドスガトス」華道教室 日時は相談可能・要予約
現在、金曜日の11時から開催可能です。直接相談してください。
「ドスガトス」は、スペイン料理店です。この店の一角をお借りして華道教室を開催します。初心者から優しく指導しています。このHP「連絡フォーム」よりお申し込みください。 吉祥寺華道教室 1回 3500円+花代(約1300円〜)
ドスガトスH.P.→ https://www.dosgatos.jp
日々の稽古や、生徒の作品などをF.B.とInstagramにアップしています。
https://www.facebook.com/茶道教室-華道教室-438381252917488/
https://www.instagram.com/sado_kado_ritsuko/
是非ご覧ください。
youtube更新しています。
毎月1日 公開予定。
更新は月一回程のペースですが、どうぞゆっくりとお楽しみください (笑)
宜しければ、「チャンネル登録」を、お願い致します。
西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室 蓮心会 高森 梨津子