蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

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2023年 4月 池坊いけばな「生花」の学び

2023年10月11日 Category: blog

2023年(令和5年) 4月10月10日(月)〜14日(金) 池坊中央研修学院、石渡雅史生花教室 二年度一期の報告です。

 前回のブログで書いたように、4月8日(土) 表千家 北山会館「春のおとずれ」展を堪能した後、その表千家北山会館が主催する『京都府立植物園の戸部博園長と一緒にこの植物園を巡るツアー』に参加。戸部博園長直々に植物園にある草・木・花の説明を受けながら巡り、先生から「植物園である意味」と「桜への熱い想い」をたっぷりと堪能させて頂きました。

京都府立植物園の植物たち。
京都府立植物園の山野草たち。私は、こうゆう花が一番好きです。

元来、「染井吉野」より「山桜」の方が好きだった私。先生から『染井吉野の桜が終わってからが本当の桜の季節なのです!』との言葉に同感するととともに、「里桜」の種類の多さと、それぞれの特徴を教えていただき、とても有意義で豊かな時間でした。

京都府立植物園の里桜たち。

 

 次の9日(日) は、京都在住の親友と『天気が良くて気持ちが良いから 、山へ歩きに行こうか』との話になり、 山科駅から毘沙門堂、そして南禅寺まで気持ちの良い山歩き。 (山歩き用の靴を持って来てなくて革靴だったのですが。) 散々、歩いて『汗を洗い流したいよねぇ』と、五条の 昔のまま薪でお湯を沸かしている銭湯、そして、その近所の美味しいクラフトビール屋さんと。。「いやぁ、遊んだなぁ」と、携帯の万歩計を見ると 3万歩弱の数字! あれ?明日からが「本番」のワタシなのですが・・・まあ、私はこのくらいは普段の生活とあまり変わらないので大丈夫。笑 帰宅後がが〜と夕食作る私に友人は流石に呆れていましたが。。。

友人が撮影。緑が眩しいくらいにキラキラしていました。

 

はい。さて、本題。

二年度一期の初日は「牡丹」。初伝七種傳の一つです。

「花かがみ」牡丹一種の絵図。

牡丹は、初伝「七種傳」のひとつ。

牡丹は花が立派で “花王” として賞美されます。牡丹籠に「行」の花形(かぎょう)で生けますが、花の品格から「井筒配り」を用いて「真」として扱います。 

牡丹の枯れた枝を真に蕾一輪を高く、開花一輪を低く使う。

水揚げが難しく溜めも効かないので、出会った花の自然な姿を生かします。(←これが難しい… 「池坊生花の学び方」の本に書いてありました。 ↓

『自然観を念頭に置き、花に尋ねて処理すべきです。この花に尋ねて花からの返事を待つにはより多くの訓練が必要でしょう。』 

はい。素晴らしい教え通り 花に尋ねた私の作品です。↓(汗) 

牡丹籠に、牡丹。

牡丹は、竹で井桁(いげた)形に「井筒配り」に留めます。この竹も自分たちで削ります。

朝、学校へ行く道に季節の花を置いている素敵なお家があるのでいつも楽しみにしているのですが、丁度勉強する日の朝に こんなに立派な牡丹の鉢が!牡丹は、一年に1センチと言われる位成長するのに時間がかかると聞きました。ここまで育てるのに何十年かかったのでしょう?立派に咲いていました。

いつも季節の花をさりげなく飾っているお宅の玄関。

 

二日目は「桃」の一種を「御玄猪(おげんちょ)」の花器へ。

桃は古くに中国から移入され「古事記」「万葉集」にもみられます。古くから邪気を祓い悪霊の侵入を防ぐとされ、その霊力に祈る風習がありました。

現在は雛祭りの節句に生けられますが 旧暦なので新暦だと4月初めに咲きます。

枝の出方にまろやかな風情があるので、その特徴を生かして優しい雰囲気に整えます。

桃の一種を御玄猪へ。

  

3日目は、「初伝」で伝えられる伝花『五ヶ条』の一つ「桜」。今回の花材は「山桜」。私が一番好きな品種の桜です。

この伝花は「一本の木の出生を生ける」のではなく、吉野の山のような「景観美」を表現するので、大花瓶か手のない大籠に大ぶりに賑やかに生けます。

山の桜は下の方から上の方へと咲いてゆくので、中段・下段に開花、真には蕾がちの枝を使います。苔木を一本(または二本)いけ交えます。そして緑の松一本を下段に交えて花の色を更に惹き立たせる。3メートル離れて観るのが正しい世界。もの凄いスケールでしょ?

ダイナミック!
↑私の作品。伝花「桜」を牡丹籠へ。木(ぼく)は直径4~5センチあります!

立花を凌ぐスケール感!以前行って感動した、吉野の山の風景を思い出します。

  

4日目は「株分け(かぶわけ)」。<特殊な情景を象徴するもの>です。

左右に分けて横の広がりをする夏の表現です。先人の日を表現する美意識の高さに、毎回舌を巻きます。

本勝手では、向かって左側に “山の景色”「男株(おかぶ)」、右側に “水辺の風景”「女株(めかぶ)」を生けます。男株の水際に石を置き、遠くの景色であることを表現します。

水陸生けを銅器水盤へ。「胴筒」に配りで生けます。

↑ 今回は男株に「銀葉やまなし」女株は水中に生育する「燕子花」を生けました。 なんと…↓

男株の銀葉やまなし。こ〜んなに、高い枝から枝どりしま〜す。

   

最終日は新風体。

八重の牡丹桜の枝ぶりが なんとも可愛らし買ったので、山や公園で観た景色を思い出し、最初は銀葉やまなしと取り合わせましたが、先生から『好きなもの同士を合わせると、どっちつかずになるよ。』とのアドバイスがあり、銀葉やまなしを抜いて芭蕉と取り合わせてみたところ、目が覚めるほど桜がイキイキとしました。↓

新風体。牡丹桜・芭蕉・松

 4月14日(金)、5日間の学校が無事に終わり、飛んで帰ります。15日(土)田無の華道稽古後、ダッシュで精進料理の準備などをし、16日(日)は「利休忌」。本来二日に分けて開催しますが、色々ある私のために、社中一同がこの日に集まってくれました!感謝。

田無茶道教室で「利休忌」。

利休坐像の掛物を掛け、茶花は銅器に松。お菓子はおぼろ饅頭。利休さまの徳を偲んで供茶、御伽(おとぎ)=精進で一献。

今年は「炭について」の話もしました。

  

  

ゆっくりしたいと、 4月末に奄美大島へ三泊四日。G.W.は休まず働き、 5月G.W.明けには伊豆下田へ二泊三日の旅行。ちっとも「ゆっくり」なんか出来ない私。 笑。

二期は7月上旬。三期はこれを書いている10月下旬なので、なんとか三期が始まる前に報告を仕上げたいと思いま〜す。(茶事の報告もあるのに できるのか?)

では、明日は二回目の「天然忌」なので。ちょこちょこ校正しながら更新していきます。

  

  

 

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