蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

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「朝茶」「茶事」とは?

2017年7月24日 Category: 茶道のお知らせ, blog
我が家の茶道教室では、年に二回「茶事」を開催します。
冬は2月初めに「初釜」、夏は8月初めに「朝茶」を開くことにしてます。
そこで 今回はこの「茶事」について少し書いておこうと思います。
さて、「茶事」とは?

「茶事」とは、一般に 懐石料理といわれる茶の湯のための料理を伴った茶のもてなしのこと。
客をもてなす丁寧な形式の茶の湯で、正式な茶の湯のことでもあります。
「正式な茶の湯」とは、濃茶をもてなすことを中心に、その濃茶を美味しく点てられるために炉や風炉に炭をつぐ「炭点前」をし、濃茶を美味しく味わっていただくための料理をすすめ、また濃茶だけでなく、薄茶をもてなす仕組みです。

その「茶事」の基本となっているのが「炉の正午の茶事」と云われる手順です。

  茶事に招かれ、当日定刻少し前に亭主宅や会場へ伺います。
  先ず初めに「寄付き」と呼ばれる部屋で、身支度を整え、連客と挨拶したり
  客が揃うまで寄付きを拝見して待ちます。
  亭主側の方から「露地」へ移動するよう促されます。露地で、気持ちを整えて待ちます。
  亭主の「迎えつけ」と云われる挨拶があります。茶事は、ここからがスタートです。
     客側からみた順序としては、
一、初炭
  亭主が炭点前をし、釜の湯を沸かします。使われる炭道具や香の入れ物「香合」を拝見します。
        
二、懐石
  一汁一菜から一汁三菜。また点心やお弁当など趣旨・趣向により工夫されます。
  お酒とともにいただきます。 
三、菓子・中立ち
  茶懐石の最後にデザートとして主菓子が出ます。その後、席改のために露地へ移ります。
        
四、濃茶
  茶事のメインである濃茶を亭主が点ててくださります。床の間には茶花が。
        
五、後炭
  炭の力が落ちてきますので、炭を継ぎたす炭点前。
六、薄茶
  メインの濃茶が終わり、すぐお開きというのも名残惜しいので、干菓子と薄茶をいただき
  和やかに過ごします。記念に写真撮影もあるでしょう。

  亭主とはこの部屋でお別れです。客は露地を通り、寄付きに戻り身支度を整え帰宅します。
  この間、約四〜五時間。でも、あっという間に感じます。

この炉の正午の茶事の順を基本に、「朝茶」「前茶」などのバリエーションがあります。

「朝茶」とは、七月や八月の猛暑の昼に客を招くことが無理な時節、五時や六時の早朝から九時〜十時、日が高くなる前の「夏の涼気を楽しむ」という心意気から生まれたもの。
暑気払いの効果や、暑い季節だからこその道具やしつらえを味わい、季節とともに歩むのを楽しむ茶事です。
特徴として、夏の早朝、釜に清新な朝の水をつぐという所作、懐石の料理も夏の朝ですから、焼き物は省き生の魚は使わない「一汁二菜」。
丁寧で正式を軸に 朝茶では、「初炭」「懐石」「菓子・中立ち」「濃茶・続き薄茶」という順序で、「後炭」を省略し、濃茶と薄茶を続けて点てることで時間を短縮し、サラサラと進めることが信条です。

夏のご馳走は「水」。亭主は、前夜からしっかりと道や露地に水を打ち、準備を始めます。
お客様には マイナスイオンたっぷりの露地や、夏ならではの道具の取り合わや花、献立を楽しみ、メインである濃茶を皆で味わっていただきたいです。

普段の稽古はこの「茶事」を楽しむ作法や心を学ぶもの。ですから、茶事は稽古の集大成。とはいえ この茶事は、どの段階でも客として楽しむことができます。本当の「日本のおもてなし」を体感できます。
今夏は、稽古社中は勿論、懐石料理を協力していただいいる割烹料理店の若手スタッフ三名、昨年からタイに転勤している華道の弟子、主人が経営するスペインレストランへアルバイトで来ている交換留学生のスペイン人女性と体験の方も大勢参加します。私はまさに今、準備に追われていますが、この生みの苦しみ無くして 成功はないので頑張ります!

 「茶の湯こそ せぬひともなき手すさみの 心のするは世にもまれなり」/道安(利休の息子)


日々の稽古や、生徒の作品、ワークショップの様子などをF.B.に(たまに)アップしています。 https://www.facebook.com/茶道教室-華道教室-438381252917488/


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蓮心会 高森 梨津子