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令和3年 朝茶の報告 その①

2021年8月20日 Category: blog

 今年、令和3年(2021年)は7月31日(土)と8月1日(日)に、「朝茶」を開催しました。

去年はコロナの影響で稽古をお休みしていたこともあり、いちもより1ヶ月遅い9月に「秋の茶事」を行いましたが、今年は真夏の早朝の涼を愉しむ 8月の「朝茶」に戻しての開催でした。
茶事というのは、いつ、なんどきに開いても良いのですが、準備にとても手間がかかるので、私の蓮心庵では正月を寿ぐ「初釜」と夏の「朝茶」の2回を基本としています。

今年は4年に一度のオリンピックの祭典が開かれていますが、「茶事」は私たちにとっても半年に一度開催される「オリンピック(祭典)」のような行事なのかもしれません。普段、稽古してきたことの集大成をそれぞれの段階に応じて発揮できますからね。

 

それにしても年々 暑さが厳しく感じるのは私だけではないと思います。稽古の準備中も滴る汗を拭いながら「水浴びをしたい」という欲求を絶えず感じていた私・・・。何をしても暑い。ならば、それさえも楽しんでしまおう!と、今年のテーマは「滝」と「水」に… 自然に決まりました。

 

空を見上げるともくもくと湧く入道雲。風でどんどん変わって龍のように見えたり、金魚のように見えたり‥これも夏の醍醐味。見飽きることはありません。

近所の空模様。一瞬も同じ形をとどめていません。

 

そこで、玄関に『夏雲多奇峰(かうん きほう おおし)』という短冊を掛けました。尋牛斎宗筆です。

 

春水満四澤  春は雪解け水があちこちの沢を満たす

夏雲多奇峰  夏は多くの雲が奇妙な嶺に似た形を作る

秋月陽明輝  秋は月が明るく輝き中天にあがる

冬嶺秀孤松  冬は嶺に独り立つ松の姿が際立つ

 

これは 中国 宋の詩人陶淵明(とうえんめい)作の漢詩が原典で春夏秋冬を詠んでいます。とても美しい詩ですね。

 

これを、さらに『禅』的に読み解くと・・私たちの「人生」や「感情」にも当てはまるから凄いのです。

『いっ時の辛い時や苦しい時、悲しいこと、怒りに震えることががあったとしても、季節が巡るようにいつか過ぎ去り、同じところにとどまってはいない。』

たとえ今ある状況が どん底だと思っても、『ずっとそこには留まってはいないよ。必ず四季と同じように巡って行くから 前を向いて歩いて行こう!』と、励ましてくれるようにも感じます。

『ものごとは、一方からだけでは真実は見られない。』という禅的視点を学ぶことができることが、わたしにっとて茶道の魅力の大きな一つです。


さて、「寄付き」に今回のテーマである『滝 直下三千丈』大徳寺派 宗鏡寺の雪尾 要道和尚一行。宗鏡寺は沢庵和尚ゆかりの寺だと聞きました。

「寄付き」床の間にお道具の箱書き。手つきの莨盆と、漆塗りの団扇。

目の前に落ちる滝を感じることで、皆さんの心も洗われたかな?

 

お客様は 露地草履に履きかえ、寄付きから「露地」へ。

蹲踞の水をあらためて、踞い、お客様を無言で向かえます。

席入りし、お客様と亭主がここで初めてご挨拶をします。床の間には掛物のみが掛けてあります。

『雲収山嶽青 (くも おさまりて さんがく あおし) 』

これは『古尊宿語録』にある言葉。

『恁麼(いんも)ならば則ち 日出(ひい)でて 乾坤(けんこん)輝き、雲収まりて山岳青し。』

「… 朝になって夜が明け太陽が昇ると、万物がその光を受けて生き生きと精彩を放ち、世界が明るく輝く。

 雲が消え去り、青々とした山が見えてきた。」

はい。これも勿論、禅的な解釈ができます。

山を『仏性』、雲を『煩悩』。  想像してみてくださいませ。

 

私は、今回「この感染症の不安が収まり、晴れやかな日常がおくれる日が戻りますように」という想いで選びました。

「大徳寺48世 宙宝宗宇筆  12代 惺斎宗匠」の箱書きがあります。素晴らしい文言です。

「初座」の床の間。掛物のみです。

 

「茶事」のメインは「濃茶です」。ですから、そのお濃茶を美味しく召し上がっていただくために、まず炭でお湯を沸かします。そのために、お客様の目の前で炭を注ぐ。このオープニングとも言える儀式を主客一緒に楽しむ。それが「炭点前」です。

炭斗は利休好みの 油竹網代。利休好みのものは全て見飽きることのない、流行のない、そして使用するたびに味わいが深くなります。

430年以上前から清流が間断なく流れるように、脈々と伝えられ「今」に続いていると思うと改めて利休さまの審美眼に感動します。

 

炭点前の時の最大の楽しみが「香合」。

今年は竹で出来ている「月形」の香合。側面に源氏車と観世水の蒔絵があり、蓋を開けるとお香を入れる部分が「月」の文字に見立てた銀の縁になっている。この月という文字のデザインは、あの桂離宮の襖の手がかりに使われている意匠と同じもの。私も桂離宮でそれを見たときは『私の香合と一緒!』と感動しました。久しぶりのお目見え。京都の高野竹工さんの不窮斎さんの作品です。

 

炭点前の後は、「茶懐石」。「濃茶」はとても美味しいのですが、空腹でいただくのは胃に優しくありませんので。お濃茶を一番美味しく頂いてもらうための素敵な順番です。

七時席入りから約一時間強。ちょうど、朝ごはんの時間です。

茶懐石は、社中が私の教授職受理のお祝い茶事を開いてくれてから、懐石を全て自分たちで作るようになりました。

新型コロナの流行から「吸物八寸」のスタイルにして、これも数を重ねるごとに「このスタイルもいいね!」と思います。試作を重ねる度、自信もついてきます。

暑い中、庭の手入れも、懐石の仕込みも、社中が協力してくれました。

 

全てを報告するには、長くなりすぎますので今回はここまで。次回は茶懐石からの報告をさせていただきます。

少し時間がかかりますが、気長にお待ちくださいませ。

 

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