蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

西武新宿線沿い西東京市田無駅より徒歩11分の表千家茶道・池坊華道教室

「茶事」と「茶会」について 

2017年7月28日 Category: 茶道のお知らせ, blog
前回、「茶事」・「朝茶」とは? を 書きました。
では「茶会」とは? も説明しておこうかと思うので、書き足しておきます。

「茶事」とは、客を招いて、懐石・濃茶・薄茶をもてなす正式な茶のこと と説明しました。
我が家では基本的に、「初釜」と「朝茶」を開きますが、茶事自体は亭主の目的により、いつ、なんどきに開いても良いものです。
 初秋の夕方に行う「夕ざりの茶事」、冬の夜長を楽しむ「曙の茶事」や「夜咄(よばなし)」。夜の闇の中で蝋燭の明かりを手がかりに運ばれる茶事は、ベテランならではの醍醐味があります。
11月初旬には、茶壺の口を開ける「口切り」の茶事。今の時代はいつでも抹茶を購入できますが、昔はその家の一年分の葉茶を5月に茶園で摘み、茶壺に入れて発酵させ 立冬を過ぎた頃、開けるのです。一年に一回のその御宅の新茶を開ける瞬間に立ち会える茶事ですから、茶の正月と呼ばれるとてもおめでたい会です。
他には、参加できない茶事のその流れを味わう「跡見の茶事」、食事を省略する「飯後の茶事」、不意に訪れた客をもてなす「不時の茶事」、などなど。
 「祝い、追善、雪月花、行事、季節、時刻、趣向」を軸に必ずなんのために催す茶事なのか、その目的それぞれの趣向で開かれます。亭主は、その目的に沿った道具組み、献立、客組みを考え準備します。

亭主は、客にはあらかじめ説明し、了解をとった上で 改めて書状で案内狀を出します。そこにその茶事の趣旨と日時、場所、連客の氏名などが明記されています。
客の心得としては、受けた案内に対して 参、不参の返事をし 万難を排して出席する覚悟を持ちます。
考え方としては、結婚式に招かれたと同じことと捉えたらわかりやすいでしょう。同じことです。

ここまで書くと、「茶会」との違いがわかりやすいと思います。

「茶会」というのは、「大寄せ」とも云われるように茶道を学んでいる方もそうでない方も、興味のある方大勢がお見えになり、一緒に抹茶一服を頂くことができる場です。
茶会へ行きたい方は、茶券を購入し(数千円から数万円)、会場でその部屋に沿った人数で席入りし、お菓子とお茶をいただき、道具を拝見して楽しみます。
茶席は一席おあれば、4〜5席など大きなものまで様々。各席に席主という席をかけた方がいて、それぞれの茶室の室礼などを気軽に楽しむことができます。
京都の大徳寺では、毎月利休様の命日 28日に、「月釜」という茶会が開かれています。とてもレベルの高い茶会ですが、どなたでも参加することができます。
春、秋の外が気持ちの良い季節気持ちの良いには、「野点」という茶会もあります。

また、陶器など作家さんの展覧会や、文化的発表会などに 茶の湯で華を添える「添釜」も。
百貨店などで見かけた方も多いのではないでしょうか?
私の教室では例年2月に開かれる「新年能」の会で 添釜をしています。

招かれた方のみ(経験の有無は問いません)で開かれる最も正式な「茶事」。
券を購入しどなたでも参加できる「茶会」や、その場で楽しめる「添釜」。
どれも「粗茶一服」の姿勢には変わりませんが、茶の湯の本質に触れるのは「茶事」といえるでしょう。

写真が見つかったら、いつか追加しておきますね。
まだ 『想像がつかない!』と 思われた方、是非体験へいらしてください。『百聞は一見に如かず』です。


日々の稽古や、生徒の作品、ワークショップの様子などをF.B.に(たまに)アップしています。 https://www.facebook.com/茶道教室-華道教室-438381252917488/


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蓮心会 高森 梨津子
 

「朝茶」「茶事」とは?

2017年7月24日 Category: 茶道のお知らせ, blog
我が家の茶道教室では、年に二回「茶事」を開催します。
冬は2月初めに「初釜」、夏は8月初めに「朝茶」を開くことにしてます。
そこで 今回はこの「茶事」について少し書いておこうと思います。
さて、「茶事」とは?

「茶事」とは、一般に 懐石料理といわれる茶の湯のための料理を伴った茶のもてなしのこと。
客をもてなす丁寧な形式の茶の湯で、正式な茶の湯のことでもあります。
「正式な茶の湯」とは、濃茶をもてなすことを中心に、その濃茶を美味しく点てられるために炉や風炉に炭をつぐ「炭点前」をし、濃茶を美味しく味わっていただくための料理をすすめ、また濃茶だけでなく、薄茶をもてなす仕組みです。

その「茶事」の基本となっているのが「炉の正午の茶事」と云われる手順です。

  茶事に招かれ、当日定刻少し前に亭主宅や会場へ伺います。
  先ず初めに「寄付き」と呼ばれる部屋で、身支度を整え、連客と挨拶したり
  客が揃うまで寄付きを拝見して待ちます。
  亭主側の方から「露地」へ移動するよう促されます。露地で、気持ちを整えて待ちます。
  亭主の「迎えつけ」と云われる挨拶があります。茶事は、ここからがスタートです。
     客側からみた順序としては、
一、初炭
  亭主が炭点前をし、釜の湯を沸かします。使われる炭道具や香の入れ物「香合」を拝見します。
        
二、懐石
  一汁一菜から一汁三菜。また点心やお弁当など趣旨・趣向により工夫されます。
  お酒とともにいただきます。 
三、菓子・中立ち
  茶懐石の最後にデザートとして主菓子が出ます。その後、席改のために露地へ移ります。
        
四、濃茶
  茶事のメインである濃茶を亭主が点ててくださります。床の間には茶花が。
        
五、後炭
  炭の力が落ちてきますので、炭を継ぎたす炭点前。
六、薄茶
  メインの濃茶が終わり、すぐお開きというのも名残惜しいので、干菓子と薄茶をいただき
  和やかに過ごします。記念に写真撮影もあるでしょう。

  亭主とはこの部屋でお別れです。客は露地を通り、寄付きに戻り身支度を整え帰宅します。
  この間、約四〜五時間。でも、あっという間に感じます。

この炉の正午の茶事の順を基本に、「朝茶」「前茶」などのバリエーションがあります。

「朝茶」とは、七月や八月の猛暑の昼に客を招くことが無理な時節、五時や六時の早朝から九時〜十時、日が高くなる前の「夏の涼気を楽しむ」という心意気から生まれたもの。
暑気払いの効果や、暑い季節だからこその道具やしつらえを味わい、季節とともに歩むのを楽しむ茶事です。
特徴として、夏の早朝、釜に清新な朝の水をつぐという所作、懐石の料理も夏の朝ですから、焼き物は省き生の魚は使わない「一汁二菜」。
丁寧で正式を軸に 朝茶では、「初炭」「懐石」「菓子・中立ち」「濃茶・続き薄茶」という順序で、「後炭」を省略し、濃茶と薄茶を続けて点てることで時間を短縮し、サラサラと進めることが信条です。

夏のご馳走は「水」。亭主は、前夜からしっかりと道や露地に水を打ち、準備を始めます。
お客様には マイナスイオンたっぷりの露地や、夏ならではの道具の取り合わや花、献立を楽しみ、メインである濃茶を皆で味わっていただきたいです。

普段の稽古はこの「茶事」を楽しむ作法や心を学ぶもの。ですから、茶事は稽古の集大成。とはいえ この茶事は、どの段階でも客として楽しむことができます。本当の「日本のおもてなし」を体感できます。
今夏は、稽古社中は勿論、懐石料理を協力していただいいる割烹料理店の若手スタッフ三名、昨年からタイに転勤している華道の弟子、主人が経営するスペインレストランへアルバイトで来ている交換留学生のスペイン人女性と体験の方も大勢参加します。私はまさに今、準備に追われていますが、この生みの苦しみ無くして 成功はないので頑張ります!

 「茶の湯こそ せぬひともなき手すさみの 心のするは世にもまれなり」/道安(利休の息子)


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