「東京清祥会支部設立25周年・石渡正子師卒寿記念華展」の報告
令和7年1月18日(土) 19日(日)、東京美術倶楽部にて、「東京清祥会支部設立25周年・石渡正子師卒寿記念華展」を開催しました。
コロナが流行る年の前の11月にホテルニューオータニで開催してから、5年ぶりの支部華展です。
東京美術倶楽部での支部華展開催は、三回目。この会場は江戸時代から代々続く美術商も所属し、日本の優れた美術品の保存・活用を行う施設。2階には本格的な日本庭園と茶室と100畳の和室があり、表千家や各流派の家元が初釜など正式な茶会を開く伝統と格式を誇る空間です。
一年前から企画に入り、この華展に向けて会員一同、真摯に花と向き合い、各自が出瓶したいと思う花の稽古に励みました。
参加者は総勢90名。その中で私の社中は私を含め9名、出瓶させて頂きました。

大きく4部屋あります。
下↓ 写真上段右が正子師匠の新風体立花の作品。中段は私たち石渡雅史先生の生花教室に通っている同期で床の間に、左は松竹梅の「松の真」、右は「梅の真」、真ん中は「枝垂れ柳と椿」を展示させていただきました。三段目左は風間支部長の古典立花、右が石渡雅史先生の生花新風体。

私をこの伝統文化の世界へ導いてくださった美佳さんも。

池坊専好さま、専宗さま、雅史学院長の三人揃っていらしてくださり、出瓶者一人ひとりにとても丁寧にご巡視くださいました。
会場は二日間で 約2千人のお客様で賑わいました。ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
蓮心会の皆さんの作品を紹介します。先ずは私から。
伝花「松竹梅」の「松真」を薄端花器へ。『松竹梅 生方之事』は、お許しの五箇条の伝書の一番初めに伝えられている生花です。

池坊の原典『専応口伝』の中に「専ら祝言に用べき事」の筆頭に挙げられているのが 松・竹・梅で、この三種が祝言第一の花材とされています。祝儀の席に最も相応しい取り合わせであるとともに、その生け方に特別な習いがあります。
松竹梅の生け方は立花の内容と相通づる感覚の上に構成されます。竹を水平に切るのは、“その先” があることを象徴しています。
家元で正月に開かれる初いけ式以外、一月に華展が開催されることは滅多にないと思うので、皆さんが松竹梅や枝垂れ柳と小菊などの作品を見る機会は少ないと思い、生花教室の同志でこの伝花にしようと決めました。
和歌子さん 「立花 新風体」。

薔薇を主にフィロレンドロン、リューココリーネ、青文字、ベロニカ、シーグレープ、エレンジューム、レッドウィロー、バーゼリア、沖縄シャガ。
亜希さん 「立て花」。

梅、沖縄シャガを主に桔梗口の花入へ。
佐々木さん 「生花 新風体」。

南天、梅の寿枝(ズバエ)と苔木、カトレア。
八幡さん 生花 三種生け。

石化柳、アレカヤシ、フリージア。
美礼さん 「自由花」。

流木を組み合わせて作り、五葉松、オンシジューム、水仙、デンファレ。
奈月さん 「小品自由花」

ピンクの椿、スイトピー、レッドウィロー、霞草を変形花器へ。
金子さん 「小品自由花」。

竹の花器へ 老松、椿、水仙、水引。
友里さん 「小品自由花」

コノテヒバ、ガーベラ、デンファレ、ヒペリカムを水盤花器へ。
皆さん、自分で考えて、それぞれの個性を精一杯発揮することが出来ました。
そして皆さんが花に託したメッセージが観覧してくださる方に伝わる素敵な作品に仕上がりました。
正子先の支部華展には、必ず添釜として茶席を設けます。立礼席がCafeのように日本庭園を眺めながらくつろげる素敵な空間となりました。

立礼席も連日大勢のお客様で大好評。雅風会の皆さま、ありがとうございました!
↓前日の生け込み風景もアップしましょう。

みなさん、本当に良く頑張りました。
初日はホテルニューオタニにて、祝賀会。

来賓の皆さまから素晴らしい祝辞をいただき、品があり寛いだなかで、とても美味しいお食事を皆さんで頂きました。
会期中は確かに大変ではありましたが、まるで夢の中にいるような(ハイ状態だったのでしょう?)不思議な二日間でした。
最終日の次の日から京都の学校が始まるので、そのまま京都へ移動。という、強行スケジュールに疲れを感じる暇もありませんでした。はい。笑
京都の生花教室の授業も今期で最後。次はその報告ですね。
では、また。
西武新宿線沿い 西東京市 田無駅より徒歩11分の表千家茶道教室・池坊華道いけばな教室
蓮心会 高森 梨津子