令和6年 京都池坊中央研修学院 総合特別科 生花教室、3年次 3期(10月)の報告
令和6年 京都池坊中央研修学院 総合特別科 生花教室。3年次3期は 10月21〜25日に開催されました。
あ〜(汗)… 3年間で終了する総合特別科。この3期が終わると 残る一期しかありません!今期も悔いのなき様、しっかり学びましょう!
1日目は、「40世専定宗匠」の残された絵図を元に、自由研究。私は「茶の木」と「小菊」の二種生けを選びました。


専定(せんじょう)宗匠が活躍された 1820(文政3)年、宗匠は『挿花百規』という本を刊行されました。
40世専定宗匠という方は、いわゆる「天才」。理屈ではなく、心の目で植の見本質を見抜き、それぞれの植物の「出生(しゅっしょう)」を生けることができる方。出生とは「それぞれの植物が内在し持っている性格」です。
その宗匠が、『ボクが 皆んなが理解できる様に、生花の 100のルールブックを作るよ。そしたら みんな、分かるでしょ?』というのがこの『挿花百規』。
『いやいや、宗匠、絵本として見るにはとても素敵!しかし、この内容は凡人の我々には直ぐには理解できかねます・・・』という世界。「一見簡単そうに見えても、とても簡単には真似出来ませんし、とても難しい」のです。よく調べてみると実際、『この本は簡単に、真似してくれるなよ〜』と、書いてあります。笑
この本の絵図の内容のほとんどは基本的に「前副(まえぞえ)」です。
現在の生花の教えは、基本的に「後ろ後方」が「副」ですので、少し混乱してしまうかもしれません。しかし、これを学ぶと「生花( しょうか)」という「形」が、今の型に構成されてくるその片鱗を窺うことができます。
「生花( しょうか)」が生まれ始めたのは、寛永 3(1750)年 36世専純の頃。この頃『水際(みずぎわ)』・『花器から命が発生する姿』の発明があり、「抛げ入れ」から「いけばな」へ発展していきます。
生花の型には、「真(しん)」「副(そえ)」「躰(たい)」という『三儀』の役枝の働きがあり、大切にその働きを心得なくてはいけません。
40世専定・41世専明の時代から、「真」は『人(じん)=ひと』、「副」は『天 (てん)』、「躰」は『地(ち)』、と伝えていくようになります。
それまでの時代は、「真」は「天」。すなわち「自然界」が中心。「副」は「人」でした。「天」が真ん中、すなわち「人」中心の考え方ではなく、「草木」の姿が決定する、今の『新風体』の考え方に近かったのです。
皆さん、ついていけてます?笑 いつでも教室でお伝えいたしますよ~~
2日目は、「木瓜」の「上・中・下段」の変化形。

下の花材から枝選びをします。ここが一番大切。

木瓜、「躰」の花。

「変化形」とは、『生花別傳』で、『上・中・下 三段流し枝』で、「真・副・躰 又は あしらいを強く働かすこと」。「花律の変化」を生けます。



3日目は、初日と同じ「専定宗匠」の絵図から「秋の燕子花」。


生けた燕子花は次の日、見事に花を咲かせました~~

他にもいくつか「秋の燕子花」の絵図があります。


ため息がでるほど、素敵です!木瓜などもそうですが、特に燕子花は、生けてもいけても奥の深さを痛感させられます。
花を生けることは、「型」も大切ですが、なるべく本数を少なくして陰陽をよく見る「見立て」が大切❗️
何より 自分が手にした枝から発想するセンスが必要。
『植物に環境を与える』
その枝をどう生かせるか、
生きている環境を作ってあげる。
環境を取り戻す = 立つ枝、横になびく枝。環境から切り離された枝に環境を提供する。
先生の名言
『フォーカスを合わせ、ノイズを消す』
4日目は、「自由課題」。3年生になると、自由課題が増えました。今まで学んできた成果を発揮していきたいです。
私は、来月11月に開催される池坊旧七夕華展で、この教室から「選抜席」に選ばれるという誠に光栄な機会を頂きました。なので、一杯でも多くその練習をしたいと思ったので「木瓜」の一種生けにしました。


5日目は、毎期「三種生け」か「新風体」の自由選択。私は「三種生け」を。
本当は、「株分け」を学びたかったのですが、今回は「分けない方が良い」とアドバイスいただきました。

「山茱萸」の赤い実と、「岩シャジン」の白花、とっても可愛い♡

一度、アップしたブログですが、あまりに長すぎるので分けて投稿することにします… 笑^^
続きをお楽しみください〜〜
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