蓮心 表千家茶道教室 池坊いけばな華道教室

西武新宿線沿い西東京市田無駅より徒歩11分の表千家茶道・池坊華道教室

『 道 と 私 』

2015年11月7日 Category: 茶道のお知らせ
 私の茶道教室では「蓮心会」という会をつくり、社中で企画・運営しています。
日々の稽古以外にも、幅広く茶道の見識を広げたいとの思いから発足しました。
茶道を学ぶ者にとって大切な『茶事』をはじめ、『利休忌』『天然忌』『納会』は勿論、『お許しの研究会』、茶道を軸に それぞれ学びたいことをピックアップしての勉強会や、『お能のワークショップ』『野点の会』『着付けアドバイス』など、皆で相談しながら活動しています。
 今年は、5月に『懇親会』を開きました。会場は、毎回「茶事」でお世話になっている
新宿「菊うら」さん。とても美味しい割烹料理屋さんです。
さて、ただの「懇親会」だけにしないところが、流石、『蓮心会』!
今回は、『道と私』という題で、それぞれの「道」を通して 感じたこと、その思いを原稿用紙 1〜2枚で、発表するという企画。お食事の前に、各自(持ち時間1~2分)発表です。
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皆さんが、「道」を通して感じた正直で素晴らしい文章に、感動。
そして「菊うら」さんでの素晴らしく美味しいお料理にも、感動。
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お食事の後には、新宿御苑を探索し、お茶室で抹茶を一服しました。

そして!その 21名のそれぞれの「道」を学んで気が付いたこと、感じたこと、これからの思いが綴られた冊子が出来上がりました。茶道 17名、華道 3名、能楽師 1名。
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・『(略)僕は、習い事は経験したことがなく、大人達がいっぱいでどうゆう風に大人達と接すればよいのかわからず嫌になってすぐやめてしまうと思いました。しかし、(略)これからも茶道を続けてたくさんの作法を身につけ、かっこいいお点前でみなさんに恩返しできるように精一杯がんばります。(略)』小学5年から初めた男子、来年高校受験。
・『(略)僕は外国についてしりたがるくせして、日本のことについては何も知らないのだということに気づきました。(略)いざ始めてみると、僕のイメージとは違う世界がそこにはありました。周りへの気遣いも大切だけども、場の雰囲気を固くしないようにする、そして何よりもそれに対する臨機応変な対応が客に必要なんだということが、一番の衝撃でした。(略)こうした互いを思いやる気持ちや、お茶を点てる側になった時のおもてなしの心が、日本人として大切なんだということがわかりました。(略)』中学2年生のお兄さん、来年大学受験。
・『(略)大切なことは、技術の上手い下手などではなく、相手に対してどうゆう気持ちで、どのような思いで接するか、ということであり、茶道という一つの手段を媒介とした人と人とのコミュニケーションこそ学ばなくてはならないということです。(略)』茶道を学ぶなかで、もう一度医学部へ大学受験をし直す覚悟を決めた大学生。
・『仕事の為になると思い、茶道を学びはじめた(略)。』建築設計師。
・『日常から離れ、静かに畳に吸わす時間で、気持ちをリセットしたい(略)。』主婦。
・『着物を着たくて始めた、(略)。』女子。
・『緊張感とともに、五感が冴えた状態が心地よいことに驚かされた。(略)』編集職。
・『静けさや平坦さのなかに、ハッとするような自由な動(変化)が取りこまれるというのは、日本文化に特徴的な魅力なのかもしれない。(略)』アロマテラピーのプロ。
・『茶道とは心の持ちようを修行する場である。(略)』着物のプロ。
・『障子を閉める際の陰陽の変化が、今でも目の奥に焼きついています。(略)「茶道」は、女性がするものと思っていたが、歴史や道具を見て学ぶうちに、むしろこの世界は男の世界で大成されたのだと考えるようになりました。(略)』塗装業男子。
・『どんなコンディションの時であっても、稽古の帰り道は身も心も軽やかに、次へのやる気がみなぎってくる。稽古場はそんな場所です。(略)』育児と仕事を両立中。
・『時間のゆとりはなくとも心の安寧を保つ術や、人の動きを見守り、必要な行動をとることを学んでいます。(略)』看護婦。
・『型を身につけ、ちっぽけなおごりをそぎ落とす。ただ稽古を繰り返し、教えに忠実になった頃、目の前に自由な世界が広がりました。(略) 謙虚になる事、相手を慮る事は島国ならではの日本人の素晴らしい個性という事。茶の湯を楽しめる美意識は誇れる国民性。(略)』華道、茶道 社中。
・『私にとっていけばなは「感謝」です。いけばなを学ばせていただけるのは多くの人のお陰であると常に感じています。(略) 切磋琢磨し、考え方や姿勢を刺激し合える仲間達がいるからこそ、自分自身を見つめ直し、ものの考え方や感じる心をより豊かにすることができます。(略)』華道社中。
・『草木花との一体感。(略)自らの想念を消して、自然と向き合うことが叶った時、私も自然の一部になれるような気がするのです。(略)』華道社中。
・『茶禅一味とは、(略)普通の生活をしているときも、お茶の稽古と同じ所作や心持ちでいるということに気をつけるようになりました。(略)』裏千家友人。
・『何か一つでも能を見て心地よいと感じる事が出来たのならば、それは昔の人と心が通じ合った証拠であり、それこそが能の最大の魅力であると思っております。茶道の世界でも同じ事が言えるのではないかと私は感じました。(略)』能楽師。

とても全てを書ききれないので、省略ばかりで すみません。全員分でもありません。
一冊にまとまったこの冊子は、30年茶道 華道を続けてきたこれまでの私の鏡でもありました。
私も、「先生」の立場からではなく、この「道」によせる想いをつづりました。
『乗り越えるのが困難に思えたいくつもの壁、また時に回り道したことも、茶道の精神の教えを学ぶために欠かせなかった大切なプロセスだったと思います。 ひとつ一つは、点のような小さな出来事でしたが、それを一歩一歩積み重ねて、自分ならではの一本の道を作って来たように思います。』

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蓮心会 高森 梨津子

天然忌

2015年10月8日 Category: 茶道のお知らせ
天然忌とは、表千家七代家元の天然宗左「如心斎」を追善する、大事な行事です。
『表千家』『裏千家』『武者小路千家』は、千利休から数えて四代目から分かれます。
なので天然忌は、表千家だけの法事。表千家の中興の祖と云われる如心斎の徳を偲ぶ大切な日です。家元では九月十三日に催されます。
如心斎(1705~1751年)の大きな功績の一つに、『七事式』を定められたことがあります。
江戸時代、政治も安定し茶道人口も増えた時代に、小間での茶を中心としたわび茶に広間での茶を取り込んで、八畳の広間で五人以上が稽古する七つの式法です。
『花月』『旦座』『茶かぶき』『まわり炭』『まわり花』『一二三』『数茶』の七つの稽古法で、弟の一燈宗室(裏千家)、高弟の川上不白などと、相談して決めたと伝えられています。
我が家の天然忌は、床の間に「円相」の掛物をかけ、矢筈板の青磁の花入には 秋明菊を飾ります。先ずは如心斎に「うずら餅」をお供えし、「供茶」をします。その後我々も抹茶をいただきます。
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そして、七事の中から『旦座(さざ)』。これは、五人それぞれの役を担って行なう式法。
『是法住法位』(客となれば客、主となれば主)。
正客が花を生け、二客が炭をつぎ、三客が香を焚く、東が亭主役、半東は全ての準備を担います。
まるで『茶事』のダイジェスト版のようで、本当に良く出来ている式法だと毎回感動します。
写真は、その時に使う「旦座盆(香盆)」と、「実菓子」。山で手に入れた葉付の柿が見応え満点!
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日曜日は、続けて『まわり花』も皆で楽しみました。
年に一回の大切な行事。その中に先人の豊かな知恵や教えが沢山あります。
毎回の稽古を大切に重ねていきたいと改めて感じた一日でした。

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蓮心会 高森 梨津子

平成27 年度 朝茶

2015年8月29日 Category: 茶道のお知らせ
今年の猛暑は例年以上に厳しかったですね。 
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8月8日9日、我が家にて恒例の朝茶を開きました。
先人は「暑い夏は、早朝の涼しい時にお茶を楽しみましょう。」と早朝に茶事を開いたとのこと。
その昔は明け方4時頃に集まり、8時頃お開きとの記録があるそうですが、現代では電車の都合もあり、我が家では6時半席入りです。
我が家の朝茶は『続き薄茶』でお招きします。
『続き薄茶』とは、「炭点前」→「茶懐石」→「濃茶から続いて薄茶」というスタイルで、
濃茶と薄茶の間の「後炭」を省略することを意味します。
昔はエアコンもない夏の暑い時期、サラサラっと時間を長引かせない、その季節ならではの
おもてなしの心ですね。
今年の朝茶の「ご馳走」は、『食籠(じきろう)』。表千家で使われるお菓子を入れる器です。
「ご馳走」と云っても、食べ物ではなくて「目や触感」のご馳走。
何年も前、大好きな作家さんに『こういう食籠が欲しいが可能か?』と具体的に話をしていたことをその作家さんが覚えていて下さり、半年程前の展示会に発表してくださったのです。
きっとご苦労があったと思いますが、とても素敵な仕上がりに、大感動。
普段の茶懐石では、食事の最後にデザートである「主菓子」を、一番正式な菓子器である「縁高」を用いますが、今回は朝茶で初お披露目に。この日から我が家のお道具の仲間入りです。
 上の写真は、初めの「席入り」のために「蹲(つくばい)」を使っているシーン。
ここで手や口を清めて「席入り」です。
二回目の「席入り」では、床の間に花が飾られ「濃茶・薄茶」をいただきます。
土曜日に真っ白な「鉄線」、日曜日は大切に育てた朝顔の「団十朗」が、見事に開きました。
 下の写真は、茶懐石のクライマックス「八寸」を勧めているシーン。
茶事では、『お濃茶』がメインディッシュなので「茶懐石」は、ごくごくシンプルに、素材感を生かしたものが本場ものなのですが、我が家のそれは、美味しくなりすぎてしまうのが、課題です。
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8月8日は、立秋。この日を堺に今年ははっきりと風が変わりましたね。
今年は残暑はそれほど厳しくなさそうな予感。

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蓮心会 高森 梨津子

新年 初釜の様子

2015年1月31日 Category: 茶道のお知らせ
blog_img01 2015年度の新年を寿ぐ茶事、「初釜」を1月31日・2月1日に開きました。
「茶事」とは、お濃茶と呼ばれる貴重なお茶を皆で楽しむための正式な会。
炭点前をして湯を沸かし 香を楽しみ、亭主の点てた濃茶を皆で一緒に味わい頂きます。
その濃茶を美味しくいただくために、席主である亭主が 茶懐石や、外露地と呼ばれる庭、部屋のしつらい全て整えておもてなしします。
主客ともに一つになって、その時空間を味わうとても豊かな一日です。

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蓮心会 高森 梨津子